段取り替え作業を見直して多品種化を実現させる

段取り替え作業を見直して多品種化を実現させる

貴社では段取り替え作業が管理の対象になっていますか?

1.多品種化へ適応する

貴社で扱う製品やサービスの種類は5年前、10年前と比べて増えていませんか?

主力製品が変わった。あるいは主力製品は変わらないけれども仕様が増えた。新たな分野へ参入したので、扱う商品の種類が増えた。

理由はいろいろあるにしても、扱う製品の種類が増えている現場が多いことでしょう。

 

市場成熟化を背景にして、顧客要望は多様化しています。

顧客の要望へタイムリーに応える。顧客の潜在的な要望を掘り起こす。

貴社がそうした市場変化へ適応した結果ではないでしょうか?

 

時代が変われば、嗜好も変化します。

単品を大量生産し、市場へ行き渡らせることで売上を拡大できたときもありました。

しかし、今は違います。

貴社の製品を顧客に選んでもらうためには、多様化、個別化がキーワードになってきました。

消費財のみならず、生産財でもそうです。

 

A.1種類の製品を100個販売する。

B.10種類の製品を10個づつ、計100個販売する。

 

これからは後者の事業形態が求められます。

この形態が行き着いたところにマスカスタマイゼーションがあります。

 

2.段取り替え作業を研究する

現場で扱う品種数は、今後も増えることが予想されます。同一ラインで、多くの品種を流動させなければなりません。

品種切り替え作業が増えます。その結果、段取り替え作業の時間が増えます。

ですから、1回あたりの段取り替え時間を短くしていかないければ、実質の生産時間が減るのです。

 

シングル段取りという表現があります。段取り替え作業の時間が10分未満です。

トヨタ生産方式のJITでは、必要なものを、必要なときに、必要なだけ造ります。

生産ロットは当然のように小さくなります。品種切り替えの頻度が多くなるのです。

 
だからと言って、従来の段取り替え作業のままでは、実質の生産時間がどんどん減ります。

そこで、トヨタは、小ロット化による高コスト化を現場改善で解決しました。

トヨタでは、現場主導で、段取り替え作業の改善が進められました。

その結果がシングル段取りです。

 

貴社では段取り替え作業を管理の対象にしていますか?段取り替え作業の時間短縮は多品種化のカギです。

マスカスタマイゼーションを成功させるに、品種切り替えへ焦点を当てます。

段取り替え作業を分析する必要があるのです。

 

3.段取り替え作業の時間短縮の考え方

「新トヨタシステム」の著者である門田安弘氏は、同著の中で段取り替え時間を短縮するには、まず4つの概念が正しく認識されなければならないとしています。

 

1.内段取りを外段取りから切り離す。

2.内段取りはできるだけ外段取りに切り換えていく

3.調整の過程を一切排除する。

4.段取り替え作業そのものをなくしてしまう。

 

段取り作業は、しばしば、改善活動で取り上げられます。

まずは1〜3の手順で段取り替え作業を分析、改善します。着眼点を共有することが大切です。

 

4.段取り替え作業そのものをなくしてしまう

4項目は、戦略的な要素を含みます。段取り替え自体をなくするにはどうしたらいいでしょうか?

2つの考え方があります。

 

1)多品種製品を同時に製造できるようにする。

2)多品種製品、それぞれの製造装置を準備する。

 

私たち中小製造企業は、後者に注目です。

 

設備の多くは、汎用性を持たせています。複数の品種に対応するためです。

ただし、汎用性を持たせた設備とは言え、製品形状が異なれば、製品個別への対応も必要です。

つまり、ある一定量の段取り作業は避けられません。

汎用性を持たせた従来の設備を使っている限り、品種切替作業からは逃れられないのです。

 

ではどうするか……。各製品ごとの簡易設備を考えればいいのです。

大型設備で汎用性を生かした加工をし、その製品独自の加工は手作りの簡易設備で加工する。

このようなイメージです。

つまり、小さな設備が多数並んでいる生産ラインです。必要最小限の専用工程をつくります。

多品種へ、段取り替え作業ではなく、工程を分割して、対応するのです。そうして、それに対応した簡易設備を内作するのです。

 

1つの設備で全ての品種に対応しようとするから段取り替え作業が発生します。簡易設備なので、不要となっても、処分しやすいです。

その意味では、今後、設備の内製化は、中小製造企業の重要課題と考えています。柔軟性の高い設備投資が可能となります。

 

中小製造企業が今後目指したいモノづくり戦略のひとつがマスカスタマイゼーションです。

機動性や柔軟性、小回り性は、もともと中小製造企業の強みです。大手では対応できないきめ細やかなモノづくりができます。

その意味で、中小製造企業は4項目も重視したいです。

段取り替え作業、そのものをなくするという大きな視点で生産ラインを眺めます。

現場の知恵と工夫が発揮されます。

 

段取り替え作業を検討する仕組みを作りませんか?

 

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出典:株式会社 工場経営研究所 伊藤哉技術士事務所


製造業専門の工場経営コンサルタント。金属工学の専門家で製造/生産技術、生産管理、IEにも詳しい。エンジニアの視点で課題を設定して結果を出し、工場で儲ける仕組みを定着させることを得意とする。コア技術の見極めに重点を置いている。 大手特殊鋼メーカーで20年近く、一貫して工場勤務。その間、エンジニア、管理者としての腕を磨く。売上高数十億円規模の新規事業の柱となる新技術、新製品開発を主導し成功させる。技術開発の集大成として多数の特許を取得した。 その後、家族の事情で転職し、6年間にわたり複数の中小ものづくり現場の管理者を実地で経験した。 大手企業と中小現場の違いを肌で理解しているのが強み、人財育成の重要性も強調する技術系コンサルタントである。 技術立国日本と地域のために、前向きで活力ある中小製造企業を増やしたいとの一念で、中小製造業専門の指導機関・株式会社工場経営研究所を設立。現在、同社代表取締役社長。1964年生まれ、名古屋大学大学院工学研究科前期課程修了。技術士(金属部門)