ものづくりニュース by aperza

東芝、事業売却急ぐ――白物家電売却先は海外か (竹本達哉,[EE Ti...

東芝、事業売却急ぐ――白物家電売却先は海外か (竹本達哉,[EE Times Japan])

東芝メディカル売却には複数の応札

 東芝はこれまで2016年3月期通期業績予想として、売上高6兆2000億円、営業損失3400億円、最終損失5500億円としていた。しかし、「2016年3月期中に、悪い膿(うみ)を全て出し、2017年3月期からV字回復を果たす」(社長 室町正志氏)との方針の下、不採算事業でのコスト見直しや、棚卸し資産の廃却/評価減を行った結果、売上高予想は据え置きつつも、損益予想を下方修正した。修正後の通期損益予想は、営業損失4300億円、最終損失7100億円となった。

左=東芝の2016年3月期(2015年度)通期業績予想 / 右=セグメント別業績予想 出典:東芝
左=東芝の2016年3月期(2015年度)通期業績予想 / 右=セグメント別業績予想 出典:東芝

 7000億円を超える大幅な赤字を計上する公算となり、既に苦しい状況となっている財務体質も大きく悪化する見通しとなった。特に自己資本比率は“危険水域”といわれる10%を、2016年第3四半期末時点で下回り、2016年3月期末には2.6%まで落ち込むことになる。

左=通期営業損益予想修正の内訳 / 右=財務体質の見通し 出典:東芝
左=通期営業損益予想修正の内訳 / 右=財務体質の見通し 出典:東芝

 早急な資本増強が必要な状況となる中で、今期、東芝唯一の黒字事業となるヘルスケア事業の中核を担う子会社東芝メディカルシステムズ(TMSC)を売却し、資金を調達する。売却に向けた進捗(しんちょく)について室町氏は「1次入札から2次入札へ移行するところ。2次入札では非常に(社数を)絞った形でお願いしている」とし、複数の応札を得て、順調に進んでいることを示唆した。また売約額については、「現状報道されている額(4000億〜5000億円)より高くなる」とも語った。

「全て居抜きで移籍していただきたい」

 また、東芝は不採算事業の構造改革も急ぐ。特に、PC事業と白物家電事業については、収益改善策を行うと同時に、「(他社に事業を)引き取ってもらうか、一部(出資)を残すのかは、分からないが、全て居抜きで移籍していただきたい。いずれにしろマイノリティー(少数出資)になる」との方針で、他社への売却/連携に向けた交渉を実施している。

 PC事業については「海外メーカーとも交渉したが、その選択肢を選ぶ可能性は小さい」とし、富士通、VAIOといった国内メーカーとの交渉を継続して実施している。

 白物家電については、シャープとの交渉を進めてきたが、成立しない場合は、「他の選択肢もある」と、海外メーカーに売却する用意があることを示した。

 なお、交渉先のシャープは2016年2月4日に、白物家電事業を社外に切り離すことを明確に否定。シャープ社長の高橋興三氏は、経営再建に向けた支援先候補として産業革新機構と鴻海精密工業の2社に絞ったことを明らかにし、「事業ごとに分解されるのはマイナスになる。シャープのDNAを保つため、液晶事業と、(白物家電事業を含む)非液晶事業の2つの固まりでの運営になる。(支援先候補の)両社からも、そうした提案を受けている」と語っており、東芝の白物家電事業売却先は、海外となる公算が高まった。

関連記事:揺れるシャープ再建、ホンハイか産業革新機構か、決め手は「液晶以外」(MONOist)


エレクトロニクス技術を駆使した製品を設計・開発するエンジニアやマネージャー層を対象に、半導体・電子部品、ディスプレイ、ネットワーク、ソフトウエア、エネルギー、設計・解析ツールなどに関する技術情報や、業界の最新動向を提供するサイトです。特集記事に加え、各種技術解説やトップへのインタビュー、海外発のニュースなど、エレクトロニクス分野における最新かつ専門性の高い情報を発信します。 http://eetimes.jp/