前回の話の続きです。パートさんが実行してくださった改善について、その内容をご紹介しましょう。

 

印象に残っている素晴らしい改善はいくつもあるのですが、例えば、計測器メーカーのY社で改善指導をしていた時のことです。

Y社の計測器の計測部は自動化が難しくほとんどの部分が人手作業によるもので、それぞれの作業に専門の作業者がいました。

その結果、いくつかの工程に分割された作業の場合、生産ロットサイズが50個だとすると、各工程で50個ができあがるまで次の工程には行かないので、完成品ができるまでとても長い時間がかかっていました。その結果、しばしば納期遅れが出て困っていたのです。

 

ところが、その中でパートタイマーのIさんが何か言いたそうな顔で私を見ていたので、私は「Iさん、何かいいアイデアある?」と質問を投げかけました。

するとIさんは、「すみません、こんなこと言ったら工場長に怒られると思うのですが、実は本当に間に合わない時、私は一人で全部やるやり方をしているのです。これだとはやいのですが、勝手にやっているのでよほどの時しかやりませんが…」とのビックリ発言をしてくれたのです。

 

そこで私は、「Iさん、それは素晴らしいことですよ、よく言ってくださいました。ちょっと急で申し訳ないけど、今ここでやってみてくれませんか?」とお願いしました。

するとIさんは机の下から内緒の木製の作業台を出してきて、必要な部品を集めて一人作業を開始しました。

その結果何が起きたか……ですが、これまで一週間はかかると言われていた製品が1台だけですが20分でできてしまいました。

 

そこにいた工場長はびっくりしていました。そしてその日からI さん方式の改善が始まって全社のリードタイムは激減し、納期の問題はあっという間に解決したのです。

叱られるのではと心配していたIさんですが、思いっきり褒められたのは言うまでもありません。

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