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早い段階で組織外の人間とやり取りをできるようにする

早い段階で組織外の人間とやり取りをできるようにする

技術者は基本的に内にこもりがちな傾向があります。

これでは仕事内容も独りよがり、もしくは1組織に依存したやり方が多くなり、新しい技術が生まれにくい「ジリ貧」状態におちいりがちになります。

こうならないよう、早い段階で組織外の人間とやり取りできるよう若手技術者を育成することが大切です。

 

外部組織の人間とやり取りさせる際のポイント

外部組織の人間とのやり取りをするにあたり、特に集中的に育成すべき点は、

「精度が高く、内容が深い技術情報を入手する」

ということです。

 

自社技術で利益を生み出す製品まで完結することが困難な昨今、複数組織の技術を組み合わせることは研究開発ではあたり前になりつつあります。

このとき、ある必要な技術がわかっており、その技術を持つ企業や組織と組もうと考えたとき、重要なのは「技術情報の入手」です。

 

この「技術情報の入手」を若手技術者が早い段階でみにつけることは、技術者指導者層が業務を分担して自分の時間を捻出しようとするとき、とても重要なスキルとなります。

情報収集力を身につけさせるためのポイント

このような情報収集力を身につけさせるために、具体的にはどのような育成手法をとればいいのでしょうか。

順を追って説明します。以下は、技術者指導者層が若手技術者に何らかの技術情報を入手してもらいたい場合を想定しています。

1.入手したい技術情報の概要、理由といった指示事項を「文章」を用いて説明

口頭では指示の漏れや誤解が生じる可能性がある。文章であれば若手技術者が自ら復習できる。

2.相手に提供可能な、こちら側の技術情報のガイドラインを「文章」で説明

相手から有力な技術情報を引き出すには、こちら側もある程度の情報を提示することが必要。

どこまでなら話してよいのか、という点を明確化しておくことは、若手技術者の安心につながる。

そして、文章にしておくことで上述同様、漏れや誤解のリスク低減と本人の復習が可能となる。

3.判断に迷ったときは、持ち帰ります、ということを言い聞かせる

若手技術者は、任せられるとすべて自分でやろうとしてしまう習性がある。

わからないことや判断できないことは、持ち帰ります、といえるよう理解させておく。

4.出張や打ち合わせは、最初から若手技術者に任せる

はじめに上司が一緒に付き添ってしまうと、若手技術者が話をするペースを作りにくくなる。

入手したい技術情報と提供していい情報を明確化した後は、本人にやらせてみる。

ほかに助けがおらず、自分で何とかしなくてはいけない、という状況こそ、当人にとってもっとも有意義な経験となる。

5.打ち合わせや出張の議事録や報告書を次の営業日までに必ず提出させる

どのような話をしてきたのか、入手できた技術情報は何なのかということを客観的に若手技術者が理解するには、自分で報告書を書くしかない。

この報告書を上司が確認することで若手技術者の仕事の進め方を技術者指導者層が理解し、必要ならば助言を与える。

また、情報には鮮度が重要であるということを若手技術者に認識させにも報告書をきちんと出させることが重要。

 

上述した1から5のステップを繰り返させることで、若手技術者も自分で技術情報を的確に入手できるようになってきます。

若手技術者が外部の人間とのやり取りに慣れ、的確な情報を入手できるようにさせることは、組織での仕事の効率化にきわめて重要です。

職場で実践していただければと思います。shutterstock_157814054


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。その後、複数の大手メーカーにて技術者として勤務。専門外の企業に転職したときは周りの会話についていけないという苦境に陥るが、試行錯誤の末に活字を基本とした独自の思考法を確立、開発最前線で成果を積み上げたことにより最先端研究プロジェクトリーダーに昇格。また、自らの立ち直りに実践した思考法を応用した技術者育成法により、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出。当時評価の低かった若手技術者を事業部最年少海外駐在者として送り出すなど、技術者教育でも高い評価を得た。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。川中から川下の企業の研究開発最前線での技術指導、サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面し、専門性を生かすも殺すも人材に大きく依存することを実感。さらに自らの技術者人材育成経験から技術者育成には一般的な人材育成と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要という考えに至った。その後、技術者に特化した人材育成プログラムがほとんど存在しないことに着目して「技術者人材育成研究所」を創業、FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/