日中韓における先使用権制度の比較 【知財ニュース拾い読み】

日中韓における先使用権制度の比較 【知財ニュース拾い読み】

日中韓における先使用権制度の比較

『特許庁』(2016/12/19)
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特許庁より、日本・中国・韓国それぞれの特許制度における「先使用権」について比較した資料が公表されました。

 

先使用権とは

特許発明を実施することができるのは、原則、特許権者や特許権者から許諾を受けた者だけです。

しかし、例えば、特許権者よりも前に独自に発明を完成させ、特許権者による特許出願の際にすでにその発明を実施していた場合には、先使用権という権利が認められ、特許権者の許諾を受けなくても特許発明を実施することができます。

 

公表された比較表にある通り、日本・中国・韓国のいずれの国でも、特許制度において先使用権が規定されています。ただし、国によって異なる部分があるので注意が必要です。

例えば、「C-1.出願日以降の生産・譲渡の能力拡大の可否」の項目について、日本では可ですが、中国では不可、韓国では不明となっています。

このケースで言うと、先使用権に基づいて特許発明に係る製品を製造する者は、日本であれば生産ラインの増設をすることができます。

一方、中国では生産ラインを増設することはできず、韓国にあっては、このようなケースについての法律や判例が存在しませんので、生産ラインの増設が認められるか否かは分からない状態です。

出典:『日中韓における先使用権制度の比較 【知財ニュース拾い読み】』開発NEXT


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。