新たなモノづくりに挑戦する企業風土は経営者が造る

新たなモノづくりに挑戦する企業風土は経営者が造る

想いを実現するために、経営者が企業風土や企業文化を、自らつくっていますか?

1.トップの考え方、姿勢に応じた成果しか出ない

昨今のモノづくりは、高度化、複雑化しています。

もののインターネット(IT)や人工知能(AI)の現場での具体的な活かし方が議論されている程です。

 

情報通信技術の現場への導入は、ウチには無関係、と思い込んでいる方はいないでしょうか?

ウチは従来通りのやり方で十分だ。大手ではないので、中小なりのやり方で仕事を進めればいいのだ。

トップのこうした考え方、姿勢は必ず、現場へ伝播します。

儲かる工場経営の本質は、人に働きかけて成果を出すことにあります。

したがって、トップの考え方、姿勢に応じた成果しか出ません。

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豊かな成長と発展を目指すならば、トップが自らリスクをとって挑戦する姿勢が必要です。

変化に挑戦する姿勢がなければ、現場は呼応しません。現場は、トップの考え方、姿勢を映し出す鏡です。

 

2.モノづくりが高度化・複雑化している今こそ、変革が必要

製造業は技術で戦っています。5年先、10年先を見通して、先手を打たなければ負けます。生き残れません。

目の前の業務をこなすだけではだめです。技術で戦う世界は、変化適応能力を競っているのです。

 

したがって、変化に対応できるよう、組織を鍛え、変えねばなりません。

技術で戦う世界は、今や、総力戦です。経営者ひとりで乗り切るものではありません。

経営者をトップに、工場全体が一体となった戦いが求められます。

モノづくりが高度化、複雑化している今こそ、トップが現場を変革する姿勢を示さねばなりません。

変化に対応できる筋肉質の現場は、トップ自らつくるのです

高度化、複雑化したモノづくりに挑戦する雰囲気が、組織に求められます。

 

3.「企業風土」を言い訳にするな

企業風土、企業文化という言葉があります。これはトップの姿勢を反映させたものであり、経営者の考え方そのものです。

したがって、企業風土、企業文化は経営者が造るものです。自然発生的に生まれるものではありません。

経営者の最大の仕事は、自分の想いを実現させる企業風土、企業文化を造ることなのです。

工場経営は、他人に動いてもらってなんぼのものですから。

 

日本大学教授の稲葉暘二氏氏は、企業風土、企業文化について次のように語っています。

 

「企業風土」を言い訳にするな。

(出典:日本経済新聞2017年5月18日)

 

稲葉氏はソーシャル・キャピタル(Social capital、社会関係資本)を研究しています。

人々の協調行動が活発化することで、社会の効率性を高めることができるという考え方です。

社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念です。

 

ソーシャル・キャピタルは、あればあるほど、日常の生活は豊かになります。

一方で、会社内のソーシャル・キャピタルは特殊であると稲葉氏は説明しています。

 

会社内のソーシャル・キャピタルの最大の特徴は、トップが自由に情報やネットワークを操作できる点にある。

情報を下に伝えてもいいし、伝えなくてもいい。

下から上がってきた情報をみんなで共有してもいいし、無視してもいい。

少人数の「お気に入りの人たち」だけで会社の中枢を固めたり、「たこつぼ化」する専門家集団を放置したりすることができる。

これらの積み重ねがまさに企業風土となっていく。

つまり、企業風土というのは勝手に存在しているものではなく、トップが作り上げるものなのだ。

(中略)

「企業風土が変えられなかった」というようなトップの言い訳は通用しない。

(出典:日本経済新聞2017年5月18日)

 

東洋ゴム工業の免震ゴム性能偽装、三菱自動車の燃費データ改ざん、東芝の不正会計、こうした大手企業の不祥事が頻発していることをうけ、稲葉氏はこう説明しています。

さらに、風通しの良い組織をつくるよう、努力するべきであるとも指摘しています。不祥事を防ぐためです。

 

4.企業風土や企業文化は経営者が自らつくる

会社内のソーシャル・キャピタルは、経営者次第です。

経営者の考え方ひとつで、風通しのいい組織にも、閉塞感に覆われた組織にもなります。

したがって、問題を発生させる原因が組織風土にあるならば、それは、経営者に責任があります。

経営者が意識しようとしまいと、組織風土は鏡に映ったトップの姿だからです。

経営者は「企業風土」を言い訳にできません。

 

逆に言うと、経営者は、自らの想いを実現させる組織風土を、自らつくれるのです。

大手より、中小の方が有利になります。大手に比べて、中小の経営者は腰を据えて、仕事ができるからです。

時間を味方につけ、オーナーの立場で自分の想いを実現させる組織づくりができます。

現場からやる気を引き出す組織風土や組織文化を目指すのです。

そうして、経営者は自らの想いを実現させます。

 

人の本質に配慮した工場経営こそが、儲かる工場経営です。

儲かる工場経営を実現している経営者は、意思や意図を持って、組織風土や組織文化の変革に取り組みます。

変化に対応しながら、自らの想いを実現させる雰囲気を現場に醸成するためです。

 

高度化、複雑化したモノづくりに挑戦する雰囲気が、今、組織に求められます。

技術で戦う世界は総力戦です。経営者ひとりで乗り切るものではありません。

工場全体が一体になる組織風土や組織文化が、ますます求められます。

情報通信技術を現場へ導入して生産性を向上させる事前準備が欠かせません。

そうした風土や文化を経営者が、自らつくるのです。

 

もののインターネット(IoT)や人工知能(AI)に挑戦する企業風土をいっしょに造りませんか?

 

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出典:株式会社 工場経営研究所 伊藤哉技術士事務所


製造業専門の工場経営コンサルタント。金属工学の専門家で製造/生産技術、生産管理、IEにも詳しい。エンジニアの視点で課題を設定して結果を出し、工場で儲ける仕組みを定着させることを得意とする。コア技術の見極めに重点を置いている。 大手特殊鋼メーカーで20年近く、一貫して工場勤務。その間、エンジニア、管理者としての腕を磨く。売上高数十億円規模の新規事業の柱となる新技術、新製品開発を主導し成功させる。技術開発の集大成として多数の特許を取得した。 その後、家族の事情で転職し、6年間にわたり複数の中小ものづくり現場の管理者を実地で経験した。 大手企業と中小現場の違いを肌で理解しているのが強み、人財育成の重要性も強調する技術系コンサルタントである。 技術立国日本と地域のために、前向きで活力ある中小製造企業を増やしたいとの一念で、中小製造業専門の指導機関・株式会社工場経営研究所を設立。現在、同社代表取締役社長。1964年生まれ、名古屋大学大学院工学研究科前期課程修了。技術士(金属部門)