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改善マンの目から喫煙を考える|元トヨタマンの目

改善マンの目から喫煙を考える|元トヨタマンの目

トヨタでは信じられないことに、ほんの5、6年前までデスクで仕事をしながら喫煙することが認められていた。しかし近年、「ながら喫煙」は禁止となり、喫煙場所へ出向いて吸わなければならなくなった。

このことは喫煙者にとって致命的な禁止事項である。なぜなら、喫煙者は吸いたくなれば好きな時間に喫煙場所に行って吸っているわけだが、この行為は、元原価評価マンの立場から言わせてもらえば、明らかな勤務放棄であり「サボり」だ。

トヨタの現場は世界一の生産性評価体制により、アリの這い出る隙間もないほど徹底的に管理されている(実務をやっていた張本人が言うのだから間違いない!)。

 

現場作業者が喫煙できるのは次の時間だ。

①午前中10分の休憩時間
②昼休み45分
③午後10分の休憩時間
※トイレは喫煙と違い生理現象であるため、監督者を呼んで仕事を変わってもらいいつでも行ける

 

元原価評価マンの立場から言わせてもらえば、喫煙者に対する喫煙可能時間を全トヨタマン同一にすべきだ。私はトヨタ退社後、オーエスジーという会社にお世話になったが、この会社では就業時間中は昼休み以外全て禁煙だ。

またトヨタ時代の上司が関連会社へ転籍されたが、その会社でも本社も現場が喫煙できる時間しか喫煙できないそうで、その上司は喫煙者だったので大変そうだった。

トヨタは現場中心主義だ。喫煙に関しては現場にきつく、事務屋に甘い状況になっている。早急に是正してもらいたい。

 

話は違うが、東海道新幹線の喫煙車両はなくせないものか。

トイレが詰まっている際、他の車両のトイレに行こうとして喫煙車両を通ったことがあるが、まさに煙だらけで息を止めて足早に通り過ぎた。

いつも座る座席は、喫煙車両の隣の禁煙車両では煙が流れてくるので、そのもう1つ横の禁煙車両と決めている。

 

ある時、喫煙車両の横のデッキで立っていたことがある。

そうするとその車両の車内検札を終えた車掌さんがデッキに出てきて、大きく深呼吸したのを見たことがある。

さぞかし喫煙車両での車掌さんやワゴン販売の方の業務はきつかろうと思う。

 

こんな職場環境にしておいていいのだろうか。組合とかは何をしているのかと思う。会社も危機管理した方がいい。

もしも車掌さんやワゴン販売の方が肺がんにでもなったら訴えられてしまうであろう。

受動喫煙の危険性も医学的にどんどん明らかにされているのだから。

 

飛行機など10時間以上も喫煙者に禁煙を強いている。新幹線など長くても3時間ぐらいであろう。禁煙を強いても社会的に受け入れられるであろう。

会社経営面から見ても設備費や清掃費など億単位で儲かるであろう。喫煙の習慣性は医学的には「病気」と断定されている。その非社会的、非人間的、非健康的行為を社会的公器である公共輸送は排除する方向にいくのが正義ではないだろうか。

なぜコストを犠牲にしてまで「病人」の自虐行為を擁護し、会社として宇宙よりも大切な現場作業者を受動喫煙の地獄に晒し続けているのか。

 

社会としての考え方

喫煙は子供であろうが大人であろうが体によくはない。社会(国家)としても絶対に吸わせたくはない(医療費も大変だし)。

よって判断能力の弱い20歳未満の人には法律で禁止しよう。しかし20歳以上の大人については法律まで使って規制することはできないだろう。自己判断でやめてもらおう。

という考え方だと思う。昔は教師が教室でも喫煙していた。

 

生徒「子供はタバコ吸ってはいけないのに、なぜ大人は吸ってもいいの?」
先生「大人は法律で吸ってもいいと認められているからだよ。子供が吸うと体に悪いからな」
生徒「先生だって体に悪いんでしょ?」
先生「……」(この段階で教師としての資格なし)

 

教師という職業を選択した以上、子供に範を示さなければならず絶対に喫煙はしてはいけないと思う。

実はお恥ずかしい話だが、私も学生時代タバコを吸った。その時、その姿を見たアメリカの留学生が次のように私に言った。

「タバコは体に悪い。長期間吸い続けると癌になるよ。その癌になるという点から見れば、私はマリファナ(大麻)よりも体に悪いと思っている。それらに比べて覚せい剤(ヘロインなど)は別格に悪いけどね」

この言葉は衝撃だった。

 

衝撃だった点

①日本でひっくるめて「麻薬」といわれるものにも悪さのランクがあること(全部社会的に悪ということにはかわりないが)
②タバコはその「麻薬」の軽い物よりも体に悪いと欧米では思っている人がいること

私はこの事実を知ってすぐに禁煙した。トヨタに入って多くのアメリカ工場の米国人にこのことを聞いてみたが、ほとんどの人が同じ考えをしていた。

日本人はタバコに甘すぎる! 喫煙者諸君、目をさませ!

元トヨタマンの目
トヨタ生産コンサルティング株式会社


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。