改善の英訳は?|元トヨタマンの目

改善の英訳は?|元トヨタマンの目

トヨタは1984年、GMと合弁会社をアメリカ西海岸のカリフォルニアに設立した。アメリカ大陸への初めての工場進出だ。

その際にいろいろなトヨタ用語を英訳する必要に迫られた。しかしこれが大変な作業だった。

最も重要な用語である「改善」をどう英訳するかからすでにもめた。

 

アメリカ工場の米国人とトヨタの担当者が協議したが、結局「改善」については英語にその意味に適合する言葉はないという判断が下され、英語でも「kaizen」という発音にすることに決定された。

素人考えだと「improvement」でいいのではないかと思う。

しかしこの米国人はこう言った。

 

「このimprovementは確かに『改良する』とか『上達させる』とか『向上させる』とかいう意味で最も近い言葉ではあるが、どうしても『お金をかけて』というニュアンスが入ってしまう。
トヨタの改善の最も重要なニュアンスである『お金をかけずに、知恵を絞って』ということはまったく概念にない。この際『kaizen』という日本語をそのまま英語にして『お金をかけずに、知恵を絞って』ということを盛り込むようにしたい」

この米国人は本当に賢いではないか。

 

元トヨタマンの目
toyota-consulting.com/” target=”_blank”>トヨタ生産コンサルティング株式会社


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。