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振動解析と診断 vol.8 振動解析診断システムの紹介(3)

振動解析と診断 vol.8 振動解析診断システムの紹介(3)

実際に解析診断システムを使用する状態監視技術者や振動診断技術者等のユーザにとっては、分かりやすい操作性やグラフ展開も利用にあたっての重要な要素です。

そこで、今回は最新機種であるinfiSYS RV-200における操作性と描画機能に関していくつか具体例を挙げながら説明したいと思います。

ユーザーフレンドリーな操作性と描画機能

ドラッグ&ドロップによるグラフ表示操作や、タブ選択によるグラフエリアのページ切り替えなど、直感的に操作可能

infiSYS RV-200は、各グラフに共通した分かりやすい操作性、選択したグラフのCSV形式によるデータエクスポートや画像データとしてクリップボードへの抽出など、多くの特長を有しています。

これら全ての特長的な操作性や描画機能を紹介することはできませんが、以下にいくつか具体例を挙げて「ユーザフレンドリーな操作性と描画機能」に関して説明します。

ドラッグ&ドロップ機能

図26に示すように、infiSYS RV-200のビューソフト画面は、デフォルトの状態では、右側に広くグラフ表示エリアがあり、左側にグラフアイコンとグラフ名称が書かれたグラフツリーがあります。

グラフツリーの下がさらに左右に分割されていて、その左側がデバイスツリー、右側がトレインツリーとなっています。

デバイスツリーは、測定チャンネルをDAQpodやVM-7モニタなど解析するためのデータを収集している装置 → 実装ボード → チャンネルの順でツリー状に表示します。

 

トレインツリーは、プラント → エリア → マシン → 測定点の順でツリー状に表示します。

測定点の選択は、デバイスツリーとトレインツリーのいずれからでも可能ですが、マシンユーザの方にはトレインツリーからの選択の方が分かりやすいと思います。

さて、デバイスツリーかトレインツリーで選択した測定点(1点〜8点まで選択可能)に対するグラフを表示する場合、図26の破線矢印のイメージで示すように、グラフツリーの任意のグラフアイコンをマウスの左クリックで掴んでグラフ表示エリアにドラッグして、任意の位置にドロップすることで、グラフを自由に配置、表示することができます。

 

また、既に表示されているグラフに対しては、デバイスツリーまたはトレインツリーの任意の測定点をドラッグしてグラフ上にドロップすることで、表示する測定点を変更することができます。

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図26. ドラッグ&ドロップによる解析グラフの呼び出し

 

なお、図26では、スタートアップやシャットダウン時の一連のデータを保存しているトランジェントデータの一つである「トランジェントボード線図」もグラフツリーからのドラッグ&ドロップの1回の操作でグラフが表示されているイメージとなっていますが、実際にはドロップした位置にトランジェントデータリスト(トランジェント履歴の一覧表)が表示され、その中から任意のトランジェント履歴を選択することでグラフが表示されます。

グラフ表示切替タブ機能

上記のドラッグ&ドロップ機能により任意のグラフを配置したページを作成しますが、そのページのタブに任意の名称を付けることが可能であり、このような任意のグラフ配置とタブ名称をつけたページを20ページまで作成可能です。

作成したグラフ表示ページは目的のタブをクリックすることで瞬時に切り替えることが可能となります。

図27に複数のグラフ表示ページを作成した例を示します。

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図27. タブによるグラフ表示ページの切り替え機能

 

このように作成したグラフ配置とタブ名称のグラフ表示ページの組合せの設定は、ウインドウメニューの「ウインドウセットの保存」として保存しておくことができ、ビューソフトを停止/再起動時に保存したウインドウセットの一覧表が表示され、任意のウインドウセットを呼び出すことが可能です。

また、ウインドウセットは複数保存して、一覧表の各ウインドウセットにコメントをつけることができます。

さらに、ウインドウセットの一覧表はビューソフトの起動時だけでなく、ビューソフト稼働中にいつでも呼び出し、現在表示されている20ページまでのグラフ表示ページの組合せから、任意のウインドウセットに切り替えることも可能ですので、20ページを超える種類のページが必要な場合、複数のウインドウセットとして事前に複数のグラフページの組合せを作っておいて、必要に応じていつでもウインドウセットから呼び出して表示させることが可能です。

タイル表示

「タイル表示」とは通常のIT用語においては、複数のウィンドウが重ならないようにタイル状に並べて表示することをいいますが、infiSYS RV-200においては、一つのウインドウ上に複数の測定点のグラフを並べて表示することを「タイル表示」と呼んでいます。

上記のドラッグ&ドロップ機能のところで、測定点は1点〜8点まで選択可能と述べましたが、最大8点までの複数点を選択してグラフを呼び出した場合、一つのウインドウ上に各測定点のグラフがタイル状に並べられて表示されます。

図28はタイル表示の一例で、4測定点のトレンドグラフのタイル表示を示します。

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図28. タイル表示(4測定点のトレンドグラフ)

 

このタイル表示画面において、各測定点のグラフの右上にある「測定点選択ボタン」をワンクリックすることで、その測定点1点のみのグラフウインドウが新たに現れますので、特定の測定点に関してより詳細に調べることができます。

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図29. 複数チャンネルの重ね描き

 

また、タイル表示しているウインドウ上の左上の「タイル表示ボタン」をクリックしてタイル表示をOFFにすると、図29に示すように、複数測定点のデータが一つのグラフ上に色分けして重ね描きされますので、容易にかつ正確に測定点毎のデータ比較を行うことができます。

複数パラメータの重ね描き

回転数や振動振幅、位相角等の変化を時系列に示すトレンドグラフや横軸に回転数、縦軸に振動振幅を示すS-V線図では、複数のパラメータを選択して同一グラフ上に重ね描きすることが可能です。

図30にS-Vグラフにおける複数パラメータの重ね描きの例を示します。

この例では、すべり軸受で支持されたモデルロータのOA(オーバーオール)振幅値、1X(回転同期成分)振幅値と0.5X(回転同期周波数の1/2周波数成分)振幅値を色分けして表示していますが、2,300rpmあたりで危険速度を超え、3,500rpm位まではほぼ1X成分のみの単純な振れ回り振動のみであることが分かります。

 

さらに回転数が上昇した3,600rpmあたりで異常振動を発生していますが、この時、1X成分は安定しており、0.5X成分が顕著に現れていることが分かります。

この例では、異常振動が一次危険速度の2倍以下の回転数で発生していることと、0.5X成分が大きく現れていることから、すべり軸受で支持された回転機械特有の自励的な不安定振動であるオイルホワール振動が発生しているものと推測できます。

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図30. S-Vグラフによる複数パラメータの重ね描きの例
(オイルホワール発生時のデータ例)

 

このように、複数のパラメータを重ね描きすることで、時間の経過とともに、または回転数の変化とともに各振動成分や位相が各々どのように変化しているか一目で分かりやすく表示することができ、対象機械の異常診断を行うための強力なツールとして使うことができます。

さて、次回もinfiSYS RV-200の特徴的な操作性に関してもう少し紹介する予定です。

 

出典:『技術コラム 回転機械の状態監視や解析診断』新川電機株式会社


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