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技術者人材育成で急増する「放置系」

技術者人材育成で急増する「放置系」

技術者を育成するという考えを放棄した「放置系」の育成が最近増えているような気がします。放置なので育成とは言えないかもしれません。

技術者の人材育成の傾向

技術者の人材育成は、俺の背中を見て育てという「職人系」、 ひたすら叱責と追い込むことで育てる「体育会系」、言われたこと以外は絶対にやるなという「軍隊系」などが代表的ですが、これらはどれも若手技術者を育てよう、もしくは統括しようという意思があるだけ。人材育成というものに対して改善点を議論するなどのやりようがあります。

しかしながら、基本的に育成に対して何もしない「放置系」が増えている印象があります。「放置系」とはその名の通り、若手技術者に仕事を与えて後はよろしく、というスタンスで、若手技術者が指導層に悩みを打ち明けに来ても、「自分で何とかしろ」というだけで、 歩み寄ることをしないようなものです。

もちろんこのようなやり方であったとしても、自分で考えて自らのスキルを磨き、 その力を開花させる技術者もいます。 そのような若手技術者はベース能力がたかいため、育成があまり必要でないと考えることもできます。ところが、このような若手技術者は極めて少数派です。

「放置系」が増える原因

技術者人材育成のターゲットは、ある程度以上のモチベーションを有する一般的な若手技術者です。入社した時は原石である彼ら、彼女らに対して自らの強みで力を発揮し、企業組織の利益に貢献する人材になってもらう、というのが育成基本概念です。育成に対して放置系のパターンが増えている一因に、育成する側に育成する時間的余裕がないという事情もあるようです。
 
つまり、好き好んで放置系にしているわけではなく、優先順位的に育成は後回しになってしまっている、 ということが多いということです。
 
このような実情に対しての人材育成の一つの考えに、アウトソーシングというものがあります。 人材育成を外注することで人材育成を加速させるというものです。 この流れは今後も続くものと思われます。

ただし、気を付けなくてはいけないのは、その人材育成は誰をターゲットにしているのか、ということ。技術職で採用された技術者は、専門性至上主義を有するなどの職種による“色”があります。 これらの特性を理解した上で適切な育成を行うということが、技術者の人材育成には大切です。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。世界的な展示会での発明賞受賞、海外科学誌に論文を掲載させるなど研究開発最前線で業務に邁進する一方、後身の指導を通じて活字を基本とした独自の技術者人材育成法を確立。その後、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出した。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面。過去の技術者育成経験から、「一般的な人材育成」と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要と考え、「技術者人材育成研究所」を創業。FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、その受け皿となる現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『技術報告書 書き方の鉄則』、『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/