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技術者が集団になった時に陥る罠

技術者が集団になった時に陥る罠

技術者が集団となると、程度の差はありある伝染病が流行ります。今話題のエボラウイルスではありません。集団安心病です。

どういう病気かといいますと、ある程度の規模の組織が有する組織病の一種です。

こんな人材ばかりになった時は危険!

  • 組織の上の人間の言う事を「はい!」ときくことに、我を忘れて全身全霊をつぎ込む人。
  • このままじゃいけないんだ!と心の中で思っていても、他の人がこう言っているから、とりあえずその流れに合わせようとしている無気力な人。
  • 目の前のことに精一杯で余裕が無い人。

 

技術者組織が上述した人材ばかりになった時はとても危険な状態となっています。

何故かというと、技術者集団として必須の文化である「向上心」というものが消えてしまっているからです。これは深刻です。そして、この状況を打開するには理想的な技術者を育成して底上げをするしかありません。

理想的な技術者像と彼らが去っていく理由

どのような企業組織も、表現の違いはあれど、理想的な技術者像は、「自ら課題を見つけ、それを解決する実行力を有する」ということになっています。

ところが、上述した集団感染で病に陥った組織からでは、課題を見つけそれを解決できるような技術者は絶対に育ちません。正確にいうとそのようなスキルを持った人材からその組織を去っていきます。

こうならないためにはどうしたらいいのでしょうか。

鍵を握るのは技術者集団のトップ

実は、ある程度大きな組織になってくると、その組織のトップにいる人物の資質というのが大きく影響します。

つまり、技術者集団の中でのトップが、

 

  • 常に向上心を持って成長しているか
  • 知識をベースに、具体的にどのような行動を起こせばいいのかということがわかり知恵があるか
  • 任せて+フォローすることができるか
  • 高い文章作成能力に裏付けられた、論理的思考ができるか

 

という技術者育成の鉄則である資質を備えているのか、という所が重要です。このような技術者は、「声が大きいから」とか、「ゴマすりがうまいから」といったありがちな背景で出世してきた人には絶対に備わっていない力です。

 

「わが社の技術者は、ある程度人数をそろえているのに、なかなか優秀な人が育たなくて……」

「若い人材をある程度の数採用しているにもかかわらず、なかなか結果が出ない……」

人事担当や技術者指導者の方々がこんなお悩みの場合、是非今一度その技術者のトップとなっている人を注意深く観察していただくことをお勧めします。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。世界的な展示会での発明賞受賞、海外科学誌に論文を掲載させるなど研究開発最前線で業務に邁進する一方、後身の指導を通じて活字を基本とした独自の技術者人材育成法を確立。その後、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出した。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面。過去の技術者育成経験から、「一般的な人材育成」と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要と考え、「技術者人材育成研究所」を創業。FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、その受け皿となる現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『技術報告書 書き方の鉄則』、『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/