悪徳システムインテグレーター(SI)が増加する日本!!

悪徳システムインテグレーター(SI)が増加する日本!!

国や顧客は厳しい目で対応するべき!

増加する悪徳SI

現在、産業用ロボットの受注額が増加しているというニュースを目にします。しかし、企業のロボットが増えれば、生産効率が上がるかというと、日本の現状はそうではありません。

顧客(エンドユーザ)の事を第一に考えてくれる優秀なシステムインテグレーター(SI)が多く存在してこそ、生産効率が上がるのですが、残念ながら悪徳SIが増加しているのが今の日本の現状です。

悪徳SIのー例

私の会社は産業用ロボットのティーチングソフトの販売・サポートだけでなくコンサルタントも行っている為に、全国の顧客からSIに関して様々な事を見聞きいたします。

先日も広島の大手顧客にお伺いした時の事です。購買の担当者から「実は愛知県の某SIからロボットのシステムを購入し、サポートも任せているのですが、ランニングコストがあまりに高額で困っている」と悩みを打ち明けられました。

詳しくお聞きすると、「ロボットの導入後の、某SIのティーチングマンの工数が多すぎてランニングコストが高額」「よって、そのSIに『もう少し工数を削減できるように工夫をできないか?』と聞いても『工数がかかることは仕方ないこと。工夫のやり方は無い』という返事しか返ってこない」との事でした。

 

この問題は、ランニングコストが高額なだけでなく、某SIのティーチングはロボットでの生産を止めて行っているので、顧客としてはせっかくロボットシステムを導入したのに最も重要な費用対効果や生産効率が全く上がらないという事です。

私の前回の記事でも申し上げましたが、ソフトで工夫をすれば、ティーチングだけでなく設計などの工数もかなり削減できるので、ランニングコストを大幅に削減する事ができます。

その証拠として、この顧客のロボットを弊社ソフトでティーチングして実際にロボットを動かすと、多くの社員達が「すげー! こんなに短時間でできるのか!」と驚かれていました。そして、この顧客から「今後のロボットシステムは是非、富士ロボットさんのお勧めのSIにお願いしたい」と言われた事は言うまでもありません。

SIが本来の働きをしていない

そもそも企業がロボットシステムを導入する理由は省人化と生産効率アップです。国も生産効率アップになることにより、多くの社員の給料が上がりデフレ脱却となることを望んでいます。

そのために国の予算が補助金などでSIを育てるために使われていますが、誠に残念なことにこのような悪徳のSIの増加により、省人化と生産効率アップがまったく実現できていない事を私は全国の顧客から見聞きしております。

悪徳のSIが増加する理由

前回の記事でも申し上げましたがティーチングマンの値段が現在高騰しております。経験7年ほどのティーチングマンを1か月間派遣すると250万円が儲かるので、SIにとってもティーチングマンの派遣は非常に「おいしい」商売です。

さらに原価もゼロ円ですので、利益率100%になります。この「おいしい」商売を手放したくないがゆえに、顧客から「ソフトなどで、工夫できないか?」と聞かれても、良いソフトの導入に前向きではないSIが多数存在します。

顧客のことを第一に考えないSIから別のSIに切り替えれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、できないというのが現実です。先ほどの例でも顧客の担当者が「導入したロボットシステムの中身を全部知っているのは、某SIだけなので今更他のSIにはお願いしづらい」との事でした。

 

まさにその通りで、ロボットのシステムは、ロボットとその周辺機器をただ繋げているわけでなく、顧客が望む作業をロボットが行うように、様々なセッティングやプログラミングを行う必要があります。

これを行うにはロボットや周辺機器の知識や、様々な経験で得たノウハウが必須なので、顧客はSIに任せるというのが殆どの現状です。このセッティングを顧客自身が行う事もありますが、このノウハウを得るためにはかなりの工数を要します。

よって、一度ロボットシステムをお願いしたSIから別のSIに切り替える事は、大規模なシステムほど難しいのです。圧倒的に優位なSIの立場が、このような悪徳SIが増加する大きな理由のひとつです。

もうひとつの理由

悪徳のSIが増加するもうひとつの理由があります。それは、ほとんどのシステムインテグレーターは機械的・電気的(つまりハード全般)に詳しいのですがソフトに関しては非常に弱いという実態があります。

先日もこのような事がありました。弊社に中規模の某SIから電話があり「顧客から『ティーチングをもう少し楽にできないか? 工数がかかってロボット化した意味がない』と相談を受けているので、噂に聞く富士ロボットさんに電話しました」と言われました。

電話をくれた方は、そのSIの中心的な立場のようでしたが、まず驚いたのがロボットプログラムの基本の話をしても、殆ど理解をしていただけませんでした。

 

ロボットプログラムに精通をしていなければ、ロボットや周辺機器を顧客に納品できても、肝心の『どう効率的に使うか』を顧客に提案できません。また、「3DCADの知識も殆ど無い」との事でしたので、顧客から「せっかく製品の3DCAD化をしたのだから、これをロボットのプログラム作成にいかせないか?」と聞かれても答えられなかったそうです。

ちなみに、このSIのホームページを拝見すると、『効率化を実現できるロボットシステムを提案』と記載されていますが、私に言わせれば『ハードの提案はしますが、ソフトは提案できません』が正解だと思います。

ただ、このSIは弊社に電話をしただけ、他のSIと比べれば顧客の事を考えていると思います。このように、プログラムやティーチングソフトに疎い事でお客様に対して効率的な提案ができない事が、顧客を困らせてしまうもうひとつの大きな理由です。

変わろうとしないSIの実態

問題なのは、弊社に電話をくれるようなSIはほんの一握りで、変わろうとさえしないSIが殆どだという事です。

実は先日、知り合いの商社の紹介で、山口県の某SIに弊社のティーチングソフトのプレゼンに行ってきました。そこで、非常に残念な現実を見ることになりました。

そのSIは様々な用途、つまりハンドリングだけでなく、色々な加工のロボットシステムを顧客に販売とメンテネンスをしている会社です。お伺いしてお話を伺うと間違いなくこのSIの多くの顧客が弊社のソフトで効率化を実現できると判断し、このSIに喜んで頂けるようプレゼンを行いました。

 

しかし、ソフトの説明をまだ殆どしていないにもかかわらず、そのSIの専務の方が渋い表情で「うちの顧客には、そんなの必要ない」「ソフトなんか無くても、我々が顧客にティーチングのサポートができる」と言ってきました。

私は、弊社ソフトで多くの顧客が生産効率アップしている証拠の資料も見せ、「このように証拠もあります。御社は顧客の効率アップを望まれないという事でしょうか? それに、まだソフトの説明をまだ殆どしていないのに、このソフトの何がわかるのですか?」と申し上げましたが、その専務は顔を引きつらせて「とにかく、うちの顧客には必要ない」と言っておりました。

その専務の言い分があまりにも可笑しいので、そばに座っていたそのSIの技術部長さんが、専務には聞こえないように「必要とされている顧客は居ると思います」と私にボソッと言われていました。

 

つまり、高額のティーチングマンの派遣やその育成教育の「うまみ」を手放したくない。顧客の効率アップよりも、自社の儲け第一というわけです。顧客からすると、これは高額のランニングコストとなり効率ダウンとなります。

お客様のことを第一に考えないSIは、もし海外ならすぐに問題視されると思いますが、残念ながら日本ではすぐにはそうはなりません。実は、お金の余っている自動車関連の会社がこのようなSIを甘やかしお金をじゃぶじゃぶと流しているがゆえに、変わらない現実もあります。

実際このSIに「お客様はどのような業種ですか」とお聞きしたら「自動車関連の会社が殆どです」と言われていました。

どうしたら質の良いSIが育つか

SI自身が変わろうとしない以上、それを待っていると顧客はいつまでも生産効率アップができませんし、良いSIも育ちません。

よって、国や顧客がSIを厳しい目でチェックする必要があります。ただ、海外から見るとこれは有名な話ですが、日本のものづくりの関係者の殆どは、ハードは強いのですがソフトが弱いので、厳しくチェックしたくてもその能力があまりありません。

国もSIの増加だけでなく評価にも力を入れていますが、日本中の現場を見ている私に言わせれば、というより顧客の方々のご意見ですが、名のみあって実がない、というのが現状です。

 

ではどうするかというと、例えば、国であればソフトに詳しい会社とコラボして評価する。また顧客であれば、知り合いの商社が紹介してくれたSIだけでなく他のSIと比べる、またソフトに詳しい会社にコンサルタントを依頼する、などでリスクヘッジをすることです。

他社と比べられるようになったSIはソフトによる差別化に力を入れるようになり、それが良いSIを育てる事になると思います。

実は最近、いくつかのSIから「富士ロボットさんとコラボして、差別化をしたい。顧客に喜んでほしい」との連絡を頂けるようになったことは有難いことです。しかし、全体から見たら、ほんの一部に過ぎません。

弊社のようなロボットのソフト面でSIをチェックできる会社が、良いSIの増加の役に立てれば幸いです。

参考:富士ロボット


富士ロボット株式会社(http://www.fuji-robot.com/)代表取締役。産業用ロボットコンサルタント。45歳。サーボモータ6つを使って1からロボットを作成した経歴を持つ。自社のソフトでさまざまな現場で産業用ロボットのティーチング工数を1/10にするなど、生産効率UPを実現してきた。さまざまな現場での問題解決の方法を知る、産業用ロボットの導入のプロ。コンサルタントは「とりあえず無償相談から」の窓口を設けている。