ものづくりニュース by aperza

将来が期待されるバッテリフリー・ワイヤレス・センサ技術

将来が期待されるバッテリフリー・ワイヤレス・センサ技術

現在市販されている従来型ワイヤレス・センサ機器にはすべて、今後の適用範囲が制限される欠点がいくつかあります。

ますます厳しい要求が課され、何かを反応する必要がある新たな用途には対応できません。

まず、これらのワイヤレス・センサはバッテリで動作するため、センス・データを提供できる時間はバッテリ交換の必要が生じるまでという制限があります。

 

バッテリ交換に関するコストが高くなる可能性があります。

センサ・システムが遠隔地にあって訪問するのが困難な場合は、技術者を派遣することになります。

同様に、タイヤ圧モニタなど自動車の状況では、車両をサービスに出す必要があります。

 

これはユーザにとって不便であり、費用もかかります。

2番目に、これらのセンサ・デバイスには複数のIC(ワイヤレス・トランシーバ、ステイミュラス検出器、サポート用ペリフェラルIC)が実装され、貴重なPCBスペースを占有します。

3番目に、検出されたデータが、専用のマイクロコントローラを使用して各ノードでローカルに後処理が行われるため、これらのセンサの実装がかなり高価になる傾向があります。

 

さらに、これらのセンサは非常に複雑なため、配備後の継続的メンテナンスが不可欠です。

最後に、この種のソリューションは、各センシング・ノードに処理能力を持たせて規模を拡大するとコストが高くなります。

そのため、使い捨て製品の検出などのアプリケーションを実装するのは非常に高価になります。

 

技術者には、ワイヤレス・センサの電力効率、コスト効果、スペース効率がより高くなるような新しいアプローチが必要です。

これは次によって行うことができます。

 

・(バッテリ以外の)他のソースから電力を取り込む

・インテリジェンス素子をセンサの設置場所から移動する

 

バッテリフリー・ワイヤレス・センサの登場により、大きなメリットを享受できます。

バッテリがなくても動作するこの高度な技術を通じて、複数のセンサと主要機能をシングルチップに統合することができます。

スティミュラス検出器が不要となり、そして最も重要なことは、もはや各センシング・ノードにマイクロコントローラ・ユニットが必要ないことです。

 

検出されたデータは、リモート・セントラル処理ハブ(一般的にインテロゲータと呼ばれる)に送られます。

これ以降は後処理が実施されます。

既存のセンサ・ソリューションとは異なり、1つの処理ユニットが同時に複数のセンサにサービスを提供できます。

 

バッテリフリー・ワイヤレス・センサはコスト効果が高く、一度配備されると、実質的にメンテナンスフリーになることが実証されます。

バッテリフリー・ワイヤレス・センサは拡張コストが低いため、この技術に基づくシステムは、使い捨て製品など、十分なサービスが行われていない新規市場に対処できます。

バッテリフリー・ワイヤレス・センサ技術は、従来は不可能であった、新しい市場や用途を切り拓きます。

 

医療セグメントで言えば、例えばハイドロゲル・ドレッシングはゲル・ベースでは90%の水で構成されており、患者の創傷面内からの輸液交換の監視に役立ちます。

創傷の湿潤を保持することにより、包帯が患者の身体を創傷感染から保護するのに役立ち、効率的な治癒を促進します。

現在、吸収プロセスは、生理食塩水入りのプラスチック・ボックスに、合成スポンジを浮かべ、その上にプラスターを置くことによって誘導されます。

 

このプラスターは、約7時間の測定期間にわたって、継続的にリーダから問い合わせが行われ、RFID帯域内の複数の周波数で応答データが収集されます。

研究では、個別のアンテナ・パワーの測定値を取り込んで水分量を推定します。

バッテリフリー・ワイヤレス・センサ技術では、水分および温度測定の即時実行が可能になります。

 

最後の一例を紹介しましょう。

バッテリフリー・ワイヤレス・センサは製造プロセス中に、新築または改築するコンクリート平板に直接埋め込むことができます。

これにより、水分量を(以前のような)日単位ではなく、分単位で測定することができます。

 

したがって、構築後の漏れや基礎問題を迅速かつ容易に予測できます。

上述したのはこのセンサ技術が実際の影響を及ぼすことになる、ごく数例にすぎません。

 

出典:『将来が期待されるバッテリフリー・ワイヤレス・センサ技術』オン・セミコンダクター


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。