ものづくりニュース by aperza

失敗しない商品作り 半歩先を行く商品開発

失敗しない商品作り 半歩先を行く商品開発

IMG_0745-1024x768

溶接業務で発生する問題点を克服した商品を自ら開発

愛知県岡崎市にある加工業を行うエスティー社の迫田俊一社長にお話をうかがいました。

エスティー社がこのたび開発したのは、金属加工を行う際にどうしても発生する金属のゆがみである「歪(ひずみ)」を矯正する歪取装置。

歪は金属であれば自重で必ず生じてきてしまいます。この歪を取る作業を短時間でどれだけ正確にできるかが加工業者にとってはポイントとなります。

 

エスティー社の歪取装置は、自社で加工業を行う際に行っていた歪取工程を短時間で正確行うために作った製品です。

すなわち、自社で加工業をスムーズにするために制作したのが製品作りの始まりなのです。

歪を取る作業で時間がかかるのが糸などを使って金属の平行度を測ることにあります。歪を取る作業をした後も、歪がなくなったかを糸などを使って繰り返し確認していました。

 

今回開発した歪取装置は、デジタル使用となっており歪を取る作業と同時に歪がなくなったかの測定もします。

歪がない部分と同じ測定値になるように加工することで歪がないことが保証できるのです。このポイントは一目でだれがみてもわかることです。

そのためお客様に対しても数字で明確に歪がないことを伝えることができるようになりました。今まで歪取の加工作業にかかっていた時間が従来よりも半分以下になったとのことです。

 

製品化を行いたいと考えている加工業者は多々あります。そして製品化をする際に自身の会社の業務と全く異なる業態の商品で勝負をしている会社をよく見ます。

しかし、エスティー社のように、自社の加工業の延長であることで、同業者が欲しがるような製品が作れるのだと感じます。

IMG_0526-1024x768

自社の業務の延長で商品を開発することによる効果

自社で検証、改善を行うことができるため効率的です。

開発現場では、実験して失敗して作り直す作業の連続です。

そのため、今回のように自社で製品を使いながら実験を行うことができる効果は大きいです。

 

さらに、今回の製品が歪を測定しデジタル化することで数値化できたためお客様に対しても、今まで以上にアピールすることができているとのことでした。

今回のエスティー社のように技術力がある会社が、自社の業務の延長で製品を作ることで技術力をさらにアピールすることができるのではないかと感じます。

実際の加工現場から製品を開発する。

 

新商品を開発する場合に大きく失敗しない方法は、自身の業務から大きくはなれた商品を作るのではなく、半歩だけ進んだ商品を作ることにあります。

半歩だけ進んだ商品であれば、商品開発自体が本業に対して大きなアピールになるためです。

 

『株式会社エスティー』
〒444-2135 愛知県岡崎市大門4丁目21番地8
電話 0564-28-3626
http://www.yaromaikai.jp/st/index.html

 

出典:『失敗しない商品作り 半歩先を行く商品開発』開発NEXT


弁理士。コスモス特許事務所パートナー。1980年愛知県生まれ。愛知大学卒業、名古屋工業大学大学院修了。LECで弁理士受験の講師を務める。オモシロ特許研究会を主宰し、知的財産権の大切さを伝えるため全国で講演を行う。自身、商標権を活かしたアイデア商品を作るベンチャー企業、TimeFactory株式会社を設立、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標・ものづくりを応援するフリーペーパー『開発NEXT』を発行、「開発NEXT Web」( http://kaihatsu-next.com/ )を運営している。