固定振れ止め修理
こんにちは
ここ数日で夏が過ぎたような感じです。
なんか寂しくなります。(夏は弱いのに)
さて、仕事の話です。
先日、私の不注意でブリョ(固定振れ止め)を
壊してしまいました。
(怪我)や(機械・チャック)へのダメージが
なかったのが不幸中の幸いです。
SUS329J1 ピーリング材 φ115x760mm(60Kgほど)の
軸物を550rpmで回してましたから。
材料が定尺の端っこで、
きっちりとチャッキング出来てなくて、
ブリョの芯を出している時に、
チャックから飛び出してしまいました。
外径がテーパー状になっていてチャックの爪に
少ししか当たっていませんでした。
爪の先端のみでチャッキングした状態です。
一度、低回転で様子を見たときは、
振れていなかったので、
「良し」と判断したのが軽率でした。
ワークはチャックから外れて宙に舞い、
旋盤の上で一回転してベットに少し当たって、
私の足元に落ちました。ブリョ(固定振れ止め)は、
ねじ切られました。
下の画像のように割れてしまいました。
![190813:01](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29093631/19081301.jpg)
よく使う道具ですので、即機械屋さんに電話しましたが、
新品はとっくに製造中止で中古もないとのことで、
修理することにしたのですが、どの方法で修理するか
だいぶ迷いました。いろいろな方法が考えられますので。
悩んでる中、来社頂いた方の
「だめもとで溶接してみれば」
との助言を頂き、近くの溶接屋さんに無理を言って
溶接してもらいました。開先を溶接屋さんの
指示どうりに取り溶接して貰いました。
下の画像です。
![0813:02](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29093717/081302.jpg)
これからが一苦労でした。
溶接の肉をRで取り、組み合わさった時に左右のずれや
傾きを最小限になるように爪のような、
はまり込み部の左右を慎重に削って行きました。
溶接の肉はRで残した方が強度的に強いので
そのようにセーパーで加工しました。
この段取りに相当時間が掛かりました。
同時に爪の横も倒れを見越して削りました。
削り代は勘です。
組んだ時左右のずれや傾きを最小限にし、なおかつはまり込みの
ガタを最小限に持っていくのが理想です。
![130813:03](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094026/13081303.jpg)
![190813:04](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094031/19081304.jpg)
相手側はこのような形状でしたので、
![180813:05](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094027/18081305.jpg)
こちらもR加工しました。もちろんセーパーで加工しました。
![180813:06](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094029/18081306.jpg)
完成の画像です。ずれも最小限で収まりました。
![190813:07](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094033/19081307.jpg)
最後になってしまいましたが、このブリョ(固定振れ止め)の
基準面は赤の矢印の部分(リング状)です。
![190813:08](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094316/19081308.jpg)
ここを証に加工していきました。
数日後、早速使いました。
![190813:09](https://news.aperza.jp/wp-content/uploads/2019/07/29094318/19081309.jpg)
大きな力が掛かると心配なところはありますが、
まず、成功と言っていいと思います。
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