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元トヨタマンの他社自動車工場見学記|元トヨタマンの目

元トヨタマンの他社自動車工場見学記|元トヨタマンの目

トヨタは設備が何かトラブルを感知したら自動的に止まり、あんどんが点灯して人を呼ぶというしくみがすべての工程で行なわれている。

また数え切れないぐらいの設備で刃具交換とか、定期的な品質チェックなど人の作業が必要になった場合、これも自動的にあんどんが点灯し人を呼ぶ。

このような仕組みがあるからこそ人が設備を安心して離れることができる。

 

またこのあんどんは工場のどこかれでも見えるようになっているため、管理・監督者もあんどんを見ていれば、トラブル発生をタイムリーに認識でき、作業者から連絡が入らなくても、現場にすぐ急行できるようになっている。

機械加工現場などあまり人がいないので、作業者にとっては非常に心強く感じ安心感があるのではないだろうか。

したがって生産管理の責任者だった私も工場へ入るとすぐにあんどんの点灯状況を見た。機械現場であれば、フル生産なら設備停止の赤ランプはそれほど点灯していないはずだし、減産時ならば逆に赤ランプのオンパレードの状態が正常であると言える。

 

そしてこのように育ってきた私が、トヨタ退職後にある自動車会社の工場を見学した。

なんとその工場にはあんどんらしきものがほとんどないのだ。たとえばボデーの長大なロボット溶接ラインにはまったくあんどんがない。

このうちのどこかでもし何かトラブルが発生した場合、どのように発見し対処するのか本当に心配になった。

 

そして係りの方に聞いてみると、生産技術屋がどこかのコントロール室で監視をしているとのことだった。

それでは現場製造部との関わり合いはどうなっているのだろうか。トヨタであれば、現地現物で現場にいてすべてが分からなければ許されない。

コントロール室には現場のあんどん情報を集約するかたちになっており、あくまでも主体は現場である。

この見学の帰り道、「やっぱり車に乗るなら、トヨタ車しかないな」と再認識した。

 

元トヨタマンの目
トヨタ生産コンサルティング株式会社


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。