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優秀な若手技術者の実戦経験は一生の糧

優秀な若手技術者の実戦経験は一生の糧

優秀な若手技術者の実戦経験は一生の糧です。

専門性第一と考える、専門性至上主義にとらわれている技術者は、学歴が高いほど、そして学位が高いほど、若手技術者に“ぬるま湯”の「研究」をやらせてしまいます。

若いうちから、学生の延長であるような「研究」をやっていては、そののち伸びることは無いでしょう。

なぜでしょうか。

若いうちに身につけなければならないこと

若いうちというのは個人差はあれど、「色々なことを吸収したい」という柔軟性があります。年齢としては、大体30歳前後まででしょう。この柔軟性が高いうちに、厳しい実戦経験で是非身につけなければならないこと。

それは、

「企業では何を要求され、どのくらいの期間でどのようなアウトプットを出さなければならないのかという“企業人常識”」

です。

“企業人常識”を身につけるために必要なこと

自分で時間軸の線を引けるような「研究」だけを続けていては、この企業人常識がなかなか身につかないのです。

身につかないまま歳だけを重ね、柔軟性を失ったころには、口だけは達者なお荷物社員となっている可能性が高まります。

会社の中に居ませんか?

高学歴や博士などの学位をもっているものの、何もできない中堅社員の方が。

とはいえ、ここで注意すべきは、企業人常識をみにつけた後のどこかのタイミングで、じっくり腰を据えて「考える」ことの出来る環境に異動させることです。

若手には開発、中堅社員には考える仕事を

どうしても開発で成果を出していると、組織上層部はそのまま開発にとどまって欲しいと考えてしまうのですが、このまま開発だけを続けさせていては技術者組織の成長である、「新しい技術」を創出することが難しくなってきます。

開発でかなりの成果を上げるころには、ほとんどの業務が定常作業のようにこなせてしまうのが普通です。

しかし、業務量が非常に多いため、時間を捻出することが難しくなります。

そのため、若い人材に開発の業務推進を任せ、企業人常識を身につけた中堅社員を「考える」仕事に割り当てることが重要です。これにより、次の世代の若手技術者に企業人常識を習得する機会を与えることができます。

これこそが人材育成でとても重要な「人材の代謝」です。

 

是非、少人数であろうとなかろうと、技術者の「人材の代謝」を促進する流れを作るため、優秀な若手ほど開発の最前線に配置することを実行してみてはいかがでしょうか。


技術者育成研究所所長・FRPコンサルタント。入社2~3年目までの製造業に従事する若手技術者に特化した法人向け人材育成プログラムを提供し、自ら課題を見つけそれを解決できる技術者育成サポートを行う。◎東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツにある研究機関 Fraunhofer Institute での1年間のインターンシップを経て同大学大学院修士課程修了。世界的な展示会での発明賞受賞、海外科学誌に論文を掲載させるなど研究開発最前線で業務に邁進する一方、後身の指導を通じて活字を基本とした独自の技術者人材育成法を確立。その後、技術者人材育成に悩みを抱えていた事業部から、多くの自発的課題発見/解決型の技術者を輩出した。◎11年にわたる企業の技術者勤務の後、自らの専門性を生かし複数企業と直接顧問契約を結ぶFRPコンサルタントとして独立。サポートを行う中で多くの企業が技術者人材育成に苦労している実情に直面。過去の技術者育成経験から、「一般的な人材育成」と異なる技術者に特化した「技術者人材育成」が必要と考え、「技術者人材育成研究所」を創業。FRPコンサルタントとしてFRPに関連する高い専門性の技術指導やサポートを行う一方、その受け皿となる現場の技術者の人材育成にも精力的に取り組んでいる。◎主な著書に『技術報告書 書き方の鉄則』、『CFRP~製品応用・実用化に向けた技術と実際~』(共著)など。◎Professional member of Society of Plastics Engineers( SPE; 米国プラスチック技術者協会)◎– 高分子学会(The Society of Polymer Science) 正会員◎– 繊維学会(The Society of Fiber Science/Technology)正会員◎– NPO インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)正会員◎– 国立大学法人 福井大学 非常勤講師 http://engineer-development.jp/