人財育成にはフォローと評価の体制が絶対欠かせない

人財育成にはフォローと評価の体制が絶対欠かせない

貴社にはフォローと評価の仕組みがありますか?

1.今西製作所の人財育成

会社の発展に関係するのは、いかに優秀な人財を集めたかではありません。

いかに自前で、若手人財を優秀な人財に育て上げたか、また、人財育成の仕組み構築へ挑戦したかということです。

 

1)フォローと評価の体制がある。

2)人財育成にはお金がかかるという前提に立ち、時間をかけて計画的に取り組む。

 

この2つを、仕組みに盛り込みます。

会社の規模に関係なく、自前で、若手人財を、優秀な人財に育て上げるのに挑戦すれば、会社独自の人財育成の仕組みも出来上がります。

(人を育てるには時間とお金がかかるとトヨタは考えた)

 

株式会社今西製作所は、1921年鋳造用木型製作の会社として創業。

型技術と鋳造技術をコアに業務内容を拡大してきました。

広島県広島市に本社を置き、国内外の自動車メーカーを主な取引先としています。

資本金7000万円、従業員120名、売上高30億円規模のメーカーです。

 

同社は、木と同じ特性を持つ紙を材料にした3Dプリンターを20年前に導入しました。

そして、紙や樹脂で模型を製作する精密鋳造法を独自に開発しています。

消失模型鋳造法で消失する模型の製作には、各社のノウハウがあります。

同社では3Dプリンター(紙積層、紫外線硬化樹脂のレーザー光による硬化)を活用しているのです。

3Dプリンターで製作した立体モデルに、セラミック粉末を数層コーティングして消失模型を造ります。

「迅速セラミック法」という同社独自の技術です。

 

平成25年度の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しています。

3Dプリンターを活用した精密鋳造法をコアとする製造システムが対象となった同社の技術です。

同社は、20年も前に3Dプリンティング(紙積層、樹脂硬化)に注目していました。

実践レベルで活用していた実績から、同社の先駆的な姿勢を窺い知ることができます。

 

モノづくりに積極的で、挑戦的な同社の今西寛文社長は、「人づくり」についての考えも述べています。

私たち中小企業にとって一番大事な財産は人材です。

そのために人を育てるしくみを作り、人が育つ環境づくりだ大切だと思います。

そのための、社内の教育システムづくりを進めてきました。

 

社員に必要な技術や知識などを4~6段階のレベルに分けた「スキルマップ」を定めています。

これは社員一人ひとりが自身の技術レベルを認識し、技術向上に向かって前向きに取り組むための目標になっています。

 

また、会社ぐるみで国家資格市特赦の支援や学会発表などにも積極的に取り組んでいます。

現代では、

「技術は教わるものではなく親方の背中を見て学ぶもの」

という考えは通用しないと思ったからです。

ただ、あまりにも至れり尽くせりの温室栽培にならないように、時期を見て、未知の舞台に押し出すことも必要です。

社内・学会での技術研究発表、海外出張もよい経験です。

その時、本人の中で、今までの積み重ねに大きな経験が加わり、何か化学反応が起きるようです。

ひとまわり成長をとげたことは自分でもわかるもので、それがいい意味での自信となり、そこからは、こちらが育てなくても自らの力で伸びていくことができます。

(出典:鋳造工学 2016年3月号)

社員ひとりひとりを、しっかり把握していないと、このようなコメントを発することはできません。

忙しい社長業の中でも、今西社長は、人財育成は自らしっかりと対応しようと考えていると推察できます。

2.今西製作所のフォローと評価の体制

同社のHPの「社員教育」の項目に下記の説明があります。

当社では、社員に求められる勤務姿勢をまとめた「行動指針」と必要な技術や知識などを6段階のレベルに分けた「スキルマップ」を定めています。

「スキルマップ」は、社員一人ひとりが自身の技能レベルを認識し、技能向上にむかって前向きに取り組むための目標となっています。

また、公的資格の取得も積極的に奨励しており、人材育成と人事考課をリンクさせたガラス張りで公平な評価システムも、社員の活躍を支えるバックボーンとなっています。

(出典:同社HP)

同社には、「ガラス張りで公平な評価システム」によるフォローと評価の体制があります。

フォローと評価の体制があるので、同社で取り組む多様なOFF-JT、OJT、自己啓発が効果的に機能するのです。

フォローと評価の体制が、若手人財の働きがいややりがいのベースになっています。

こうしたベースがあって、初めて人財育成の仕組みが機能するのです。

 

・自分が働いている会社の社長が、

学会誌で人づくりについて語り、

自社のHPで「ガラス張りで公平な評価システム」という説明がされている現場。

 

・一方、人事考課や評価の仕組みは知らされず、

人財育成に関しての考えを発することのない社長のもとで働く現場。

 

両者を比べるとどうでしょう。

 

今西製作所でも、一朝一夕に、「ガラス張りで公平な評価システム」を構築できたわけでなく、試行錯誤を経て、現在の姿に至ったと考えられます。

そして、試行錯誤してでも、「ガラス張りの公平な評価システム」を構築することのメリットを、今西社長は知っていたのでしょう。

 

中小モノづくりの現場で大切なのは、ひとりひとりの人財。

若手人財には、一人前に育ってもらい、さらに、後輩を指導する役割を担ってもらわないといけません。

こうした人財育成の好循環を構築するには、人づくりの仕組みが欠かせないのです。

OFF-JT、OJT、自己啓発を単発で行っても効果はありません。

フォローと評価の体制と組み合わせて、はじめて機能します。

会社の規模に関係なく重要なことです。

 

特に中小製造業では、優秀な人財を採用するのではなく、自前で若手人財を優秀な人材に育て上げること、また、人財育成の仕組み構築へ挑戦することが肝要です。

今西社長の話はとても励みになります。

 

フォローと評価の体制をつくりませんか?

 

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出展:株式会社 工場経営研究所 伊藤哉技術士事務所


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。