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ローソンが“揚げもの廃油”でバイオマス発電、店舗の調達電力を7割削減 ...

ローソンが“揚げもの廃油”でバイオマス発電、店舗の調達電力を7割削減 (陰山遼将,[スマートジャパン])

 24時間365日いつでも立ち寄れるコンビニは、もはや生活に欠かせない施設の1つになりつつある。しかし、便利な分だけ年間を通じて消費する電力量も大きい。そこでコンビニ各社では店舗の省エネに積極的に取り組んでいる。

 こうした省エネ活動の一環として、コンビニでは全国初となる事例が登場した。大手コンビニのローソンが兵庫県姫路市にオープンする新店舗にバイオマス発電システムを導入し、発電した電力を店舗で活用していくと発表した(図1)。

図1 バイオマス発電システムの概要 出典:ローソン

 導入するのは兵庫県姫路市夢前町に、2016年2月5日にオープン予定の「ローソン夢前スマートインター前店」。バイオマス発電の燃料は、ローソンの店舗で揚げもの商品を調理する際に発生する植物性廃油を使用する。植物性廃油の一部をバイオディーゼル燃料にリサイクルし、発電機の燃料として再利用する仕組みだ。

図2 使用するバイオマス発電システム 出典:ローソン

 このバイオマス発電システムを利用して、年間3万6000kWh(キロワット時)の電力を発電する計画だ。これは既存店舗の消費電力の約20%に相当する。植物性廃油を原料とするバイオディーゼル燃を利用することで「カーボンオフセット」の考えを適用できるため、この発電におけるCO2排出量は実質ゼロと見なすことができる。

 ローソンでは以前からこうした創エネシステムや、省エネ施策を積極的に導入する「環境配慮モデル店舗」の設置を進めている。今回の店舗は8カ所目となるが、同店ではバイオマス発電システムに加え、その他の省エネ施策を組み合わせることで、外部調達する電力量を一般店舗より2010年度比で67.9%削減できる見込みだという。

創エネ+省エネ+人工知能で7割削減

 新店舗における創エネについてはバイオマス発電システムに加えて、太陽光発電設備を導入した。出力12kW(キロワット)相当のパネルを店舗の屋上に設置し、このうち約2kW分を店舗の電力として利用する。残りの10kW分は売電する予定だ(図3)。バイオマス発電システムと太陽光発電設備の合計で、既存店舗の消費電力の約27%相当を再生可能エネルギーでまかなえる。

図3 設置した太陽光発電システム 出典:ローソン

 省エネについては約10種類の施策を導入している。コンビニなどの食品を扱う店舗で電力消費量の多くを占めるのが、長時間使用する照明、さらに要冷ケースと冷凍冷蔵機が挙げられる。新店舗ではショーケースに扉を付けて冷気漏れを防ぎ、さらに断熱材を強化して断熱性能も高めている。冷凍冷蔵機には規制強化が進むフロンタイプではなく、CO2冷媒タイプを導入した。照明には制御機能を搭載するLED照明を採用している。これで約34%の省エネが図れるという。

 この他には二重窓や空調への放射パネルの採用、店舗の西側外壁に光触媒テントを張って壁面の温度上昇を抑制するなど、熱に関連した省エネ施策も複数導入した。店舗の基礎や外壁にも断熱性能の高い材料を使用するなど、徹底した“熱対策”を施している。

図4 店舗の西側外壁に設置した光触媒テント 出典:ローソン

 さらにこの新店舗には店内外の各所にセンサーを設置している。このセンサーが各エリアの環境を検知し、この情報をもとに人工知能が各種機器を自動制御して最適なエネルギーマネジメント行うという。

 これら全ての創エネ、省エネ施策を導入することで、既存店舗と比較して調達電力を約67.9%削減する狙いだ。ローソンは2008年から環境配慮モデル店舗の設置を開始しているが、この削減量は過去最大になる(図5)。同社ではこうした環境配慮モデル店舗で収集した実験データやノウハウを、既存店舗の省エネなどに活用していく計画だ。

図5 これまでに設置した環境配慮モデル店舗の調達電力削減量 出典:ローソン


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