データセンター自動化の虚構と現実 By ダン・デバッカー

データセンター自動化の虚構と現実 By ダン・デバッカー

重要なのは、データセンター自動化に向けた合理的なワークフローが作られるかどうか

スクリーンショット 2019-01-22 10.57.41

Dan DeBacker(ダン・デバッカー)
Extreme Networksデータセンター製品担当ディレクター

 

デジタルトランスフォーメーションが、ビジネスのやり方を再定義しています。IoTデバイスを実現するためのクラウドの必要性から人工知能の革新的な使用法に至るまで、この種の情報がみんなの耳に届いています。しかし、このような輝かしい事柄の裏には、トランスフォーメーションを実現するための最優先事項が隠されています。データセンターです。

ITスタッフは、信じられないようなプレッシャーの中で、ビジネスを前進させるような方法で自らのスキルを高め、日々の業務をこなしながら、会社のデジタルナーバスシステムであるデータセンターを、企業とともに時代に合わせるような方法でデジタルトランスフォーメーションに対処しなければなりません。それは難しい注文であり、単一の回答も確実な方法もありませんが、ほとんどすべての場合で役立つ戦略が1つあります。それは自動化です。

しかし、最新の専門用語と同じように、このトピックにはたくさんの誤解があります。データセンターの自動化については、そろそろ虚構と現実をはっきりと分ける時期がきています。

DevOps/NetOpsは未来のこと

ここでは、議論の余地はほとんどありません。DevOps/NetOpsを採用すべきときは、今なのです。この段階では、さほど心配することはありません。これは旅程であって、目的地ではないからです。これらの方法論の目的は、データセンターのさまざまな部分を合理化することにあります。サービスデリバリの速度を上げなければならないということは、デジタルトランスフォーメーションの直接的な要件の1つとなっています。

ITスタッフのアジリティは、これを実現するためには欠かせません。自動化は、これらのフレームワークを成功させるための基礎となるものですが、もう1つの重要な要素は、そのための活動を支える組織構造を持つということです。組織に自動化を積み重ねるだけで、適切に活用できないのであれば、ツールとオーバーヘッドが増えるだけです。

どんな場合にも通じる汎用性を持っている

自動化について言えば、これは真実とはまったく異なっている場合があります。自動化のメリットは、カスタマイズできるということです。自社のビジネスを、不特定多数向けの一般的なツールに適合させる必要がどこにあるのでしょう? このようなアプローチが、求めている成果に近いものを生み出すことは、決してないでしょう。重要なのは、データセンター自動化に向けた合理的なワークフローが作られるかどうかです。現在、手動でなされているプロセスを、自動化されたプロセスに単純に置き換えられるようにする必要があります。

例えば、新しい仮想マシンが作られると、ネットワークの接続を自動的にセットアップできるようになっていることがあります。そこから、ロードバランサーやファイアウォール、あるいはアプリケーション展開に必要な他のサービスを構成するためのワークフローを付け加えることもできます。当然のように思われるかもしれませんが、賢い選択をしなければなりません。あることができるけど、そうするためのプログラミングには博士号が必要となるようなツールに騙されないようにしなければなりません。

自動化には「オール・オア・ナッシング」のアプローチが必要

「すべて自動化」が称賛に値する目標であるとしても、これは現実的ではありません。私たちに必要なのは、ちょっとした規模の自動化であり、時間節約という点で最大の投資効果をもたらす分野に手を入れるということです。これを、ブロックを積み上げるようなアプローチと考えることもできます。自動化を旅程と呼ぶのは、それゆえなのです。小さな勝利の積み重ねが、比較的短い時間での大勝利に結びつくことがあります。

自動化のよい点は、ワークフローをミクロサービスの集まりだと考えられることです。単一の巨大なワークフローは作らないように。その代わりに、VLANの設定やデフォルトゲートウェイの作成、ポートチャネルの作成といった、特定のタスクをターゲットにした、一連のアクションを作るために使用および再使用され得る、いくつかの小さなワークフローを作るのです。

これらのワークフローのそれぞれは、特定の機能を果たし、スタンドアローンとしても、複数をチェーン化させても使うことができ、サーバーがデプロイされたあとに使用されるワークフローの作成にもつなげることができます。

自動化によって仕事が奪われる

多くの組織に蔓延している、自動化についての最大の危惧の1つは、たった1つのソフトウェアに大勢の仕事が奪われるという発想です。おそらく、これは、ロボットが生産ラインを乗っ取っているところを見たからなのでしょう。その場合には、人々はもはや組み立てを行うことはなくなりましたが、ロボットのプログラミング、操作および保守といった新しい仕事が生まれました。

同様に、タスクの自動化についても、ITスタッフを置き換えるのではなく、ITスタッフをアシストするのだと考えるようにしましょう。より生産的になるためには、私たちは、生活をより楽にしてくれる新しいツールとうまく付き合い、戦術的なありふれたタスクではなく、より面白く戦略的な仕事に目を向けるようにしなければなりません。

自動化できるのは、ライフサイクルのある部分だけ

この自動化の旅程では、データセンターのライフサイクル全体が考慮されなければならず、プロビジョニング、検証、トラブルシューティングおよび修正を含めた、すべての機能に自動化の恩恵が及ぶようになっていなければなりません。そう言われると、すべてを自動化しようとしているように思われるかもしれませんが、ライフサイクルの各ステップで、もっとも役立つやりかたで自動化を行おうとしているのです。

第1候補は、ある程度、定期的に繰り返されているタスクです。以前に行っていた、またはごくたまに行われるタスクは、現状のままになるでしょう。

ネットワークにとっては、わくわくするような時代です。私たち全員が、データセンターの未来を具体化する機会が得られるからです。設計、導入および運営の方法が変わりつつあり、自動化が長期的な成功の重要な役割を果たしています。自動化の導入は、それを必要とするときに、必要な場所で、自分のペースで行われなければなりません。

出典:「Data Center Automation: Fact vs Fiction」


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。