ものづくりニュース by aperza

ストレッチと企業体質強化

ストレッチと企業体質強化

最近、スポーツの前に準備運動としてストレッチングが取り入れられている。

ヨガのように体をのばしながら精神面も含めて訓練する方法もあるが、これとは別に、ケガを防ぐ手段として、ストレッチはスポーツの世界で広く用いられている。

かつて、これに似た内容で“ウオームアップ”が盛んに使われた時代があった。

 

スポーツ用語の応用として、生産前準備の用語として現場で盛んに用いられ、設備を空運転させ、温度をあげ、安定した作動条件をつくり、加工の精度の安定を目的に行われた。

従業員が交代で早出して、機械のスイッチを入れてウオーム・アップさせる方式である。

また、この用語は自動車運転開始時のエンジンを暖める用語としても有名になった。

 

しかし最近は、技術の進歩と共に段々と使われない傾向になりつつある。

これと似た定期点検という医学用語も車検の年月延長と共にやがては聞かれなくなってきた。

それはさておき、ストレッチを、最初、私は準備運動と同じ内容であると考えていた。

 

ところが最近、剣道をする高齢の方が「その考えだけではいけない。ストレッチは準備運動もさることながら、筋肉強化を科学的に進める方法であり、リハビリだけでなく筋肉強化の大きな手段となっていることを知った。

力をつけるならウエイト・トレーニングが良い。しかし、我々のような早く動かす筋肉や、長時間の使用を目的とする運動にはウエイト・トレーニングよりストレッチングの応用技術の方がはるかに役に立つ、という研究がなされているそうだ!

私はヒザを傷めたが、この話をお医者さんから聞き、指導を受け、対策した結果、かなりの筋肉強化とリハビリができた」との、お教えをいただいた。

 

この内容をキッカケに、私もストレッチングを学ぶことにした。

昔から、ウエイト・トレーニングは剣道のような瞬発力を必要とするものには不要である、という多くの報告が、剣道の医学的解析書に記載されてた(ウエイト・トレーニングの一部は有効であるがバーベルを持ち上げるタイプの強化は活動が遅い、しかも、動くときに余計な筋を太らせてしまうので邪魔であるとされてる)。

私の場合、下手くそと年齢が手伝って、練習量が多い時など、膝に障害が出ることがあった。そこで、この際一度専門家のお話や書を、もう少し研究してみようと考えたわけである。

 

ところが、職業病のかなしさか、研究する内に、ストレッチの中から工場の改善に応用できる多くのものの見方を見つける作業を平行して進める結果となった。

私が学んだ一部をご紹介することにする。

 

ストレッチング自体、米国での長い研究があり、筋肉の構造を科学的に解析した結果が今日のストレッチを形勢しているそうである。

その効果は筋肉の機能増強に莫大であることがわかったそうである。

ストレッチを正しく行うことにより、また、運動の目的に応じたストレッチを徹底することにより、筋肉強化と疲労回復などが驚異的なまでになされた。

 

筋肉を伸ばし、呼吸法と共に血流を筋肉や筋にスムーズに流すことが、筋肉を強化し、運動時のエネルギー循環と疲労回復をスムーズにする原理に基づくそうである。

また、このために筋肉の筋の位置、構造の関係を詳細にスポーツ医学の方々が研究されてきた。

ストレッチを学んで行くうちに、この点にまず、私は驚嘆した。

 

この内容を私の仕事に置き換えるならば! TPMという設備保全、稼働率向上対策や、LCAと言うローコスト自動化設備を作成する際に、そのまま役立たせることができた。回転する部品には油の潤滑は絶対に、欠かせない。

油の流れは血流と同じである。何回きれいな油が血のように部品の周辺を、しかも、本当に必要とする部分に流れているか? という解析が必要である。

筋肉の作動の代わりをする自動機の部品が骨か? 筋肉か? という考え方でとらえると、交換性や部品の選択や、どの部分を補強をすべきか否か? といった評価が簡単にできる。

 

やはり、設備や形は異なるが人間の代わりをする目的で作られているのだな〜と思い、ストレッチングの応用を利用した。

関係者の理解と効果は抜群であった。人と同じ筋肉強化の考え方を設備の強化に応用したわけである。

設備も人も複雑な動きや構造をしたところは潤滑が必要である。日頃からの筋の強化訓練をしておくべき点には部品の材質の改良や潤滑の特性を大いに利用すべきことが解った。

 

また、これをもとに改善を進めることができた。詳細は省略するが、ストレッチとこれらの設備上の対策を比較して解析すると、似かよった点が多い。

その共通性を比較するだけで、メンテナンスのしやすい設備づくりに役立つと思う。

設備強化にあたっては、ストレッチと栄養強化を組み合わせる対策がある。弱点部分の強化である。

 

人は運動と栄養循環で骨や筋肉強化を図るが、設備は手術という内容にあたる改善が適用できる。

骨太設備化や単純構造による設備改善がこれにあたる。このことはストレッチの原理の比較で比較的簡単に解析できる。

今回、ストレッチ科学のほんの一端でしたが、ストレッチの研究と内容は工場の現場の問題解析に活用すべき内容が未だ残されているように思う。

 

ITの時代、情報流通を企業体質の要点と考える方式はいかがであろうか?

コンビニには85%のゲームソフトが置かれている。情報流通の改善が新製品創出にリンクしている。

ストレッチは重要な部分の血流革新である。昨今、テレビでIT革命なる報道がなされた。

 

この内容は携帯電話でアンケートした結果を即座に分析して製品の置き方(配列)、価格や表示を変えただけで売り上げが増加する状況を伝えていた。

この種の強化もストレッチの応用と考えても良い。

オリンピックでは各種技術開発が盛んである。疲労回復、老廃物の撤去により、より高い体質に変換すること。

 

疲れを早く取り、新しいチャレンジに向かう取り組みの多くの内容にストレッチが活用されている。

オリンピックを機会にスポーツ医学とその解析法を学び、企業の体質改善を科学的に高める原理を学んでみたいと思った次第である。

私には、ものの見方、考え方にストレッチが必要な気がしている。

皆様はいかがですか?


昭和45年から平成2年まで、日立金属㈱にて、全社CIM構築、各工場レイアウト新設・改善プロジェクトリーダー、新製品開発パテントMAP手法開発に従事。うち3年は米国AAP St-Mary社に赴任する。平成2年、一般社団法人日本能率協会専任講師、TP賞審査委員を担当を歴任する。(有)QCD革新研究所を開設して活動(2016年有限会社はクローズ、業務はそのままQCD革新研究所へ移行)。 http://www.qcd.jp/