【Dの問題】生産計画は1つではない
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5 生産同期化の仕組み
販売計画の精度がアップしても、販売計画はあくまで営業活動のための計画です。
そのまま生産計画になるわけではありません。
限界ある生産能力をやりくりしながら、刻々と変化する営業情報に連動した生産計画を作らなければ、同期化を実現することはできません。
5.1 生産計画は1つではない
ある生産現場を訪れた時のこと。
現場で使われている帳票類が多くて情報の混乱が見られたので、帳票の整理をすることにしたのです。
そこで、生産計画表と呼ばれるサンプルを収集してみると、これが100種類を超える!
内容も形式も全くバラバラなのですが、説明を聞くと、なるほどどれも生産計画なのです。
もしかすると、あなたの職場でも生産計画という同じ名前で、中身の異なる表が数多く存在しているかもしれません。
ひと口に生産計画と言いますが、一般に次のような種類があります。
1.機能による分類
大日程計画
販売計画と在庫状況に基づいて、生産必要数量を積み上げた計画。
何をどれだけいつまでに生産しなければならないかが示されている。
中日程計画
部材調達、および生産能力(残業・シフト・休日稼働を含む)から、生産の平準化を考慮した計画。何をどれだけいつ生産するかが示されている。
小日程計画
所要時間を計算して、最も効率の良い生産手順を考慮した計画。
個々のロットの投入順序と完了予定時刻が示されている。
2.計画期間による分類
長期計画
経営計画、利益計画などに利用される、長期を対象とする生産計画。
どれだけの期間を長期とするかは、業種、製品、工程の規模、目的によって異なる。少なくとも1年以上を対象にした計画が普通である。
機能的には大日程が多いため、長期計画を大日程計画と呼ぶこともあるがこれは正しくない。
中期計画
長期計画を設備計画、人員計画などの生産準備に利用できるように具体化した計画。長期計画と同様、中期の期間は業種等によって異なる。
短期計画
当面の生産活動に利用される計画。より具体的であり直接的である。
3.計画対象による分類
ライン別工程別計画
ライン・工程・製品の特性に合わせて作成される生産計画。
機能別、計画期間別の計画が必要に応じて作られる。
生産計画は文字通り生産するための計画なので、仕方がないのですけれど、できれば、それぞれ名前を変えて区別するようにしてください。