【Dの問題】手を速く動かすな

【Dの問題】手を速く動かすな

※当コンテンツは『面白狩り』の提供でお届けしています。

 

6.2 手を速く動かすな

次は、リードタイム短縮のために改善を進めようという話。

改善の参考書を読んだり、上司や先輩のアドバイスを参考にして、ストップウォッチやビデオカメラを片手に、作業のムダがないか観察を始めます。

すると、大抵の場合、見られている作業者は緊張して手が速くなり、いつもより作業が早く終わります。

どうしたら速く作れるか?

いつもより手を速く動かせば良い……かというと、実はこれは全く意味がありません。

その上、ムリをしていますから、そのうちにくたびれてしまい、後が続きません。

かえって遅くなってロスが多くなったり……

やはりムリは禁物なんです。

そこで、ものが作られる過程をもう一度じっくり眺めてみてください。

これから作ろうとする品物を船にたとえてみて、あなたがそれに乗船するとします。

 

倉庫から部品が出庫されますから、それに乗りこみましょう。

 

あなたの船は生産ラインの横に置かれますが、そこでしばらく待たされます。

前の注文が終わらないので次の工程に進めないからです。

このような停滞を工程待ちと言います。

 

やっと加工が始まりました。

ところが、ロットでまとめて作っているので、自分の番が来るまで待っています。また、自分の番が終わっても残りの数が終わるまで待っていなければなりません。

このような停滞をロット待ちと言います。

 

こんなふうに工程や機械の前後では頻繁に待たされています。

それから工程間の移動で、箱の中でただ揺られていることにも気付きませんか?

その通り。

 

停滞や移動の時間はものづくりが全く進行していない時間です。

実際の生産リードタイムの中には、そのようなロスがとても多いのです。

前節で、計算した手番通りに生産出来ないのはこのロスを暗黙に認めているからです。

 

生産リードタイムの短縮は、ムリをして手を速く動かす前に、まずそのような、だれでもわかるムダをなくすことから始めます。

 

出典:『Dの問題』面白狩り(おもしろがり)


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。