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【2016年現代の名工】金属溶接・溶断・めっき工 12人のマイスターた...

【2016年現代の名工】金属溶接・溶断・めっき工 12人のマイスターたち

2016年度の「現代の名工」160人が発表されました。今回は「金属溶接・溶断・めっき工、その他の金属加工等部門」の名工の受章者をご紹介します。

現代の名工は、卓越した技能を持ち、その道で第一人者と目されている技能者を表彰するもので、技術者にとっての名誉であり、若手技術者のお手本です。

★ものづくりニュースでは、そんな名工への敬意と、若手技術者の皆様への目標の提示、日本の製造業が持つ優れた技術と技術者の努力をより多くの人に知っていただきたいとの思いから、「現代の名工」受章者の皆さまをご紹介いたします。

畑岡耕一(はたおかこういち)さん

hataoka
・神奈川県 66歳
・金属製家具製造工
・(株)岡村製作所 追浜事業所
オフィス用椅子製造全般に精通し、業界で初めて軟質発泡ウレタン表皮一体成形工法を確立した。更にこの工法を応用した異硬度クッションは快適な座り心地を実現するなど、日本の鋼製事務用椅子をデザインと機能と強度を兼ね備えた椅子へと導いた。
 世界五三ヶ国で三〇万台の販売実績を誇る「コンテッサ」の開発にも寄与し、現在も技能検定主席検定委員や、技術技能訓練センター所長を務め、技能五輪選手や後進の育成に尽力している。

参考:岡村製作所、平成28年度「現代の名工(卓越した技能者)」を受賞―金属製家具製造工としての設計や製作技術、育成における功績を表彰―

松田正道(まつだまさみち)さん

nissin
・滋賀県 58歳
・成形プレス工
・日伸工業(株)大津工場
 金属プレス部品加工に長年従事し、特にスマートフォン用カメラレンズケースやハイブリット車用電池部品等でミクロン単位の超高精度角絞り部品製作に優れた技能を有している。
 また、国内工場における技能伝承活動により多くの後継者を育成するとともに、海外現地法人でも同様に技術指導を行いグローバルな技能者育成に貢献している。
参考:日伸工業、当社社員が「現代の名工」厚生労働大臣表彰を受賞しました。

永野秀雄(ながのひでお)さん

tecnohama
・愛知県 52歳
・金型組立工
・テクノハマ(株)
 金型組立に長年従事し、部品を〇.〇一㎜レベルの精度で仕上げ組み立てる卓越した技能は、技能グランプリにおいて労働大臣賞に輝いた。その経験・技能を社内若手の育成のみでなく海外関連会社にも展開し、多くの現地組立工を育成した。
 近年はミクロン単位の「鏡面磨き」を「いかに効率よく短時間で仕上げるか」に取り組んでおり、更なる技能の向上と道具・工具にまで改善を加え続ける姿勢は若手社員の目標となっている。

参考:テクノハマ、『 卓越した技能者(現代の名工)』を弊社社員の永野さんが受賞しました。

久保田誠(くぼたまこと)さん

・新潟県 60歳
・成形プレス工
・新潟三吉工業(株)
 金属プレス加工分野に長年従事し、経験と研究からパソコン用ハードディスクカバーのプレス加工の開発、製品化に貢献。その加工技術は世界標準となっている。
 また、現在、戦略的基盤技術高度化支援事業による燃料電池用金属セパレータのプレス加工における工法、工程の研究開発に取り組むとともに社内及び業界の技能者、工業高校の若年技能者の指導、育成に活躍している。

参考:新潟三吉工業、新潟三吉工業(株)から にいがたの名工 誕生

仲摩吉成(なかまよしなり)さん

・大分県 56歳
・アーク溶接工
・日鉄住金テックスエンジ(株)大分工場
 高圧配管や圧力容器の溶接に関し卓越した技能を有している。高圧製品では、複雑な形状となり、溶接欠陥が生じ易くなるが、培った優れた技能・知識に基づく確実な施工管理によって、石油化学等で使用する加熱管の製作や、製鉄設備である転炉炉体溶接工事に於いて、高い品質の製品を提供している。
 大分県初の九州溶接マイスターであり、又、大分県中小企業支援アドバイザーや県溶接技術競技会審査員を務め、ものづくり技術の普及啓発、産業振興に貢献している。

参考:大分合同新聞、「現代の名工」県内5人  仲摩吉成さん(日鉄住金テックスエンジ)

早坂治(はやさかおさむ)さん

・宮城県 62歳
・ガス溶接工
・(株)本山製作所
 金属硬化処理方法の一つであるガス溶接技法を用いた手作業の肉盛溶着作業において卓越した技能を有している。直径が五㎜~六〇〇㎜と幅広い溶着ワーク(SUS材)に対して、氏の作業精度は極めて高く、肉盛残存溶着層(一.四~一.六㎜以内)に抑える溶接技能を確立し、製品不良の発生を極限まで低減させた。
 また、溶接及び熱処理における長年の経験と知識を活かし、後進に細かい技術指導を行うなど、技能伝承に大きく貢献している。

水野雅裕(みずのまさひろ)さん

・群馬県 57歳
・アーク溶接工
・パナソニックAP空調・冷設機器(株)
 金属溶接・溶断分野の特殊製品製作における「電気溶接」をはじめ、特殊製品を完成させるまでに必要な治工具選定から溶接施工の技能に卓越し、他部署と連携した「つくりやすさ」を追求した工法は、国内外の関連会社で広く標準化されている。
 また、社内の技能者の育成・指導を行うだけでなく、高校生への溶接技術指導も行い、県内溶接大会の優勝者を輩出するなど業界全体の発展に貢献している。

藤林俊雄(ふじばやしとしお)さん

・京都府 67歳
・彫金工
・藤源
 主に仏具飾りの製作に長年従事しており、古来より受け継がれてきた薬研彫、金属研磨等の技能に優れている。手作業による繊細かつ大胆な彫金を得意としており、下地を描かない高度な技法のほか、古来の手道具を自作して使用するなど、現在では他に見られない稀有な技法を有し、伝統的な技法により数多くの寺院の仏具飾りの製作に係わる貴重な技能者である。

大寺弘(おおてらひろし)さん

・兵庫県 52歳
・製かん工
・三菱重工業(株)神戸造船所
 原子炉容器をはじめとする大型原子力機器の組立作業に関する卓越した技能を有し、原子炉特有の非常に厳しい品質を確保するために、工法・手順・管理の検討・立案・改善を行い、高精度な品質及び厳格な納期の確保に長年に亘り貢献してきた。
 現在は管理職として、長期的な人材育成計画を踏まえた後進指導を行い、今まで培った知識・技能・技術を惜しみなく伝授している。

福田紀夫(ふくだのりお)さん

・福岡県 75歳
・製かん工
・(株)高田工業所 人材開発部
 氏は、製かん工として国内外のプラント建設工事に従事し、モジュールの製作においては、不安定な海上での厳しい作業条件の中、寸法誤差+-三㎜以内に収める卓越した技能を有して他にも幾つもの難工事を完成させた。
 現在、その経験を活かし、社内における研修計画の企画、立案に携わっているほか、技能伝承に関する講演等を各地で行っている

若杉忠宏(わかすぎただひろ)さん

・愛知県 60歳
・アーク溶接工
・三菱重工業(株)名古屋誘導推進システム製作所
 航空宇宙エンジン部品は-二五三℃~+三三〇〇℃にもなる極低温/超高温、また圧力では二二〇気圧の高圧力の厳しい環境にさらされるが、これに耐えうる卓越した溶接技能を有している。数百本の細い管で構成された肉厚〇.二五㎜の極薄管部品に対する無欠陥溶接や前例の無い補修技術の開発に携わり、さらには多岐に渡る金属材料と溶接方法の高度な知識と技能を身に付けており他の追随を許さず、日々技能伝承による後進育成や鋳造材の溶接補修技術の確立に取り組んでいる。

小杉亮(こすぎまこと)さん

・神奈川県 62歳
・電気めっき工
・旭産業(株)金沢工場
 多品種のめっきをオーダーメードの如く一品一品「手作業」により仕上げる卓越した技能を有している。特に特殊マスキング処理や均一にめっきを施すために欠かせない治具・補助陽極の作成に卓越した技能を有している。その技能を生かし酒造や電子部品など、幅広い産業から依頼が寄せられており、絶えず高品質なめっき製品を世に送り続けている。
 また技能検定委員として長年従事しており、後進技能者の指導・育成に余念がない。

受章者の皆様、おめでとうございます!

参考:厚生労働省、平成28年度 卓越した技能者(現代の名工)を決定しました


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ