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『金持ち父さん貧乏父さん—アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』で...

『金持ち父さん貧乏父さん—アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』で働くとは何かを考えた

10月に個人事務所を立ち上げた。

1ヶ月以上経って、初めて研修講師の仕事をした。

その報酬は来月末に入る。

 

要するに、3か月間無収入である。

何もしていないわけではない。

 

仕事を取るためにHPを立ち上げ、アクセス数を上げるためにSEMも始めた。

研修に役立つ情報を得るために多くの書籍を購入して読み、ブログ(ここ)に感じたことなど書いている。

研究会などで頼まれて話をすることがある。

 

でも無収入である。ということは、私は働いていないのか?

そんな時、夢中になって読んでしまった本がある。

研修中の宿泊先のホテルでも2時間も読みふけってしまった。

 

『金持ち父さん貧乏父さん—アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター、筑摩書房)である。

本書は、翻訳が出てから13年になる。多分、13年前には手に取る気もなかっただろうし、読んでも、

「これはアメリカの話であり、日本では、一所懸命働いて、無駄遣いせずに貯金すれば定年後はゆったり暮らせるはず」

とすぐに忘れてしまったことだろう。

 

しかし、今の日本では、まさにここに書かれたことは現実になっている。

あくせく働いても、豊かな老後は保証されない。

私の30代の子供たちは、お金についてもっと真剣に考えなければならない。

 

そのような思いで、ひとつひとつの内容を「ふむふむ、そうだそうだ」と読み進むうちに、自分自身について当てはめて、何とも知れない違和感を感じた。

この本で書かれていることは「働くこと」ではなく「稼ぐこと」についてではないか、ということである。

つまり、「働くこと」と「稼ぐこと」は違うのではないか、と気付いたのである。

 

不動産や株を売買してお金を稼ぎ大金持ちになることは、働くことではない。

では、働くとは何だろうか。

私は、遊んでいるわけではないが無収入である。

 

稼いでいないのは確かだが、働いていないのだろうか。

少なくとも、研修の講師をしている間は働いているといえる。

さらに、研修資料を準備し、話す内容を練り、打ち合わせをし、契約書を交わし、見積書を出すなども働くことの中に入れてもいいだろう。

 

お金を稼ぐこととは別に、他の人のために何かをしていることが「働くこと」なのではないか。

会社員だった8月までは、「働くこと」は朝会社に出勤し(片道2時間)、会社規則にのっとって社内で資料を作ったり教育したり、打ち合わせしたりして、夜家に帰ることであった。

それに対して月末には給料が振り込まれたので、「働くこと」と「稼ぐこと」は一致していた(と感じていた)。

 

しかし、退職したらそうはならなくなった。

遊んでいないのにお金は入ってこない。

働くことと稼ぐことが一致しているのは勤め人だけに当てはまる図式だったのである。

 

『金持ち父さん 貧乏父さん』で学ぶべきことは、「働くこと」と「稼ぐこと」は違うということである。

これからは、退職後のゆとりある生活をするためには、働くだけではなく稼ぐことも考えなければならない。

そして、「稼ぐ」という言葉を「働く」ことより下に見ることを改めない限り、将来は安泰ではない、ということである。

 

本当に示唆に富んだ本である。

※2013年11月に書かれた記事です。


1948年東京生まれ 石田厚子技術士事務所代表 東京電機大学情報環境学部特別専任教授 技術士(情報工学部門) 工学博士 ◎東京大学理学部数学科卒業後、日立製作所入社。コンパイラ作成のための治工具の開発からキャリアを始める。 5年後に日立を退職し、その後14年間に5回の転職を繰り返しながら、SEなどの経験を通じてITのスキルを身に着ける。その間、33歳で技術士(情報工学部門)取得  ◎1991年、ソフトウエア開発の生産性向上技術の必要性を訴えて日立製作所に経験者採用。生産技術の開発者、コンサルタントとして国内外にサービスを提供  ◎1999年 企画部門に異動し、ビジネス企画、経営品質、人材育成を担当。57歳で「高い顧客満足を得る商品開発への影響要因とその制御」論文で工学博士取得  ◎2007〜13年、日立コンサルティングでコンサルタント育成に従事。「技術者の市場価値を高める」ことを目的とした研修を社外に実施  ◎2013年 65歳で日立コンサルティングを定年退職し、石田厚子技術士事務所を開業。技術者の市場価値を高めるためのコンサルティングと研修を実施  ◎2014年 東京電機大学情報環境学部の特別専任教授に就任