『統計学が最強の学問である』で統計学に少し近づく
(※2013年11月に書かれた記事です。)
秋はイベントが多い。
著名人の講演が聴けるチャンスでもある。
その一つ、「Hitachi Innovation Forum 2013」に参加することができた。
講演の選び方はさまざまであるが、今回は『リバース・イノベーション』(ダイヤモンド社)の著者であるビジャイ・ゴビンダラジャン氏、『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)の著者である西内啓氏と、あと二つを選んだ。
ゴビンダラジャン氏の著書は、昨年読んで目からうろこが落ちるほどの影響を受けたので(それ以前の著書の『ストラテジック・イノベーション』[翔泳社]はちょっと受け入れがたかったが)、ぜひ直接話を聞きたいと期待して申し込んだ。
結果は、期待通りであった。
一方の西口氏の著書は、書店でいつも見かけるにもかかわらず、何となく手にするのが怖くて(統計学に抵抗があるのか?)立ち読みすらしていなかった。
本は読まなくても、講演を聴けば何となくわかるかもしれない、とのずるい考えでの参加であった。
その結果、すぐに本屋に行って本書を購入し、読むことになってしまった。
『統計学が最強の学問である』(西口啓、ダイヤモンド社)である。
本書は、統計学の解説書と認識した。決してビッグデータの解説書ではない。
講演のとき、「え、こんなに若い人なの?」と思ったが、その通りのことを本人に言われて驚いた。
同様に、私のように40年以上前に大学を卒業した人が「統計学」を敬遠したがる理由を言い当てられたように思う。
難しい数式、要するに何を言っているのかわからないこと、騙されたような嫌な感じである。
本書では、統計学のこれまでの研究成果の全体像を解説することにより、全体像と向かう方向を見せてくれている。
特に、「統計学の理解が劇的に進む1枚の表」の節に示された、一般化線形モデルをまとめた1枚の表は、何度も戻って確認した。
本書を読んですぐに仕事に応用するのは難しいが、ビッグデータについて語るのなら、これくらい読んでおかなければ、と思わせる本である。
1日で読めると思う。
※2013年11月に書かれた記事です。