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『品質でもうけなさい』9-4.生産管理が品質を管理する

『品質でもうけなさい』9-4.生産管理が品質を管理する

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9-4.生産管理が品質を管理する

流れ生産やセル生産を実施する大きなねらいは、少人化、生産期間短縮、在庫削減です。

もちろん、製造ラインの改善だけでは不十分で、生産管理のやり方にもメスを入れなければ問題は解決できません。

 

生産管理について、ただ受注伝票を積み上げて生産予定表を作り、後は部品が欠品にならないように工場の中を駆けずり回る……なんていうイメージしかなければ、ほとんど改善の手が加わっていない無法地帯だと断言して差し支えないでしょう。

たとえ、最新のシステムが導入されていて、やれERPだSCMだなどと胸を張っても、形だけで使いこなせていないのはまず間違いありません。

工場診断でこんな徴候が見えたら、遠慮なく問題提起して、そんなことやってたら会社がつぶれちゃうぞと脅かすことになるわけです。

 

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生産管理部というのは、生産のPDCAを回していく、まさに工場の司令塔でなければなりません。

受注した製品を効率良く生産し納期通りに出荷するために、生産能力や日程、在庫などをコントロールするのが生産管理です。

そのために生産計画を作成し進捗状況をチェックして、問題が起こらないようにアクションをとるわけです。

 

生産管理の整備を何もしなければ、コントロールに使える情報がほとんどありませんから、納期通りに出荷できたかどうかを見ているだけで精一杯です。

生産の動きは完全に現場任せで、ライントラブルが起きても出荷直前までわかりません。

そこに緊急の注文でも飛び込んできたりしたら、もう現場は大混乱。

 

ムリな残業の連続が不注意と作業能率の低下を誘い、納期遅れが納期遅れを呼んで悪循環にはまっていきます。

製造ラインの改善は、いたるところに散在する仕掛品の山を解消し、整理整頓が行き届いてわかりやすい現場になってきますから、効率アップと共に工程ごとの生産実績や工数データといった生産情報の精度が大幅に向上します。

生産計画も単純な注文の羅列から、生産能力とラインの負荷とのバランスを考慮したムリのない計画が作れるようになり、さらに効率的な投入順序や予定生産量まできめ細かく計画できるようになります。

これが小日程計画です。

 

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そこで次の場合の問題点を考えてほしい。

 

【問題20】 立て続けに飛込み注文が入ったために、少しムリな小日程計画になってしまったが、現場が予想以上に頑張ってくれたおかげで、なんとか納期遅れにならずに済んだ

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小日程の基礎となっているデータはかなり精度の高いデータですから、たとえ予定より早く終わっても、実績と計画との差異が大きい場合は異常と感じなければいけません。

最も心配なのは、必要な作業の抜けです。

出荷を一時停止し、必ず現場に行って事実を確認しなければいけません。

 

もし作業抜けがあったにもかかわらず、そのまま何もせずに放っておくと、それが定常化して大きな不具合のタネになりかねません。

小日程計画は作業能率を管理するのに使われますが、このように異常を知らせてくれるツールにもなります。

生産管理部は工場全体の動きを眺めていますから、そのような目で品質にも注意を払えば、異常を早期発見し問題を未然に防止することができるのです。

 

3-3.なぜ全員参加でなければいけないか?)で、品質保証体系図を改めてじっくり眺めてごらんなさいと言いましたけれども、レベルが低いとなかなかマクロの視点が持てないので、本当に確認した人なんて一人もいないんじゃないですか?

 品質保証体系図は業種や生産形態によっても様々ですが、普通は下のような受注から出荷までの生産の流れをフロー図にまとめたものです。

 

▼品質保証体系図の例

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生産管理担当者からすれば、単に物作りの手順を並べた図という程度の認識しかないでしょう。

しかし、各アクティビティが正しく機能することで品質が保証されることを考えれば、生産管理の役割が決して小さくないことがわかるはずです。

 

楽屋裏話 by『面白狩り』編集長

TQC華やかなりし頃、私の恩師が、TQCとは品質管理と生産管理の両輪を回すことだとさかんに強調していました。

ところが、現実には小集団活動とキャンペーンイベントの代名詞みたいになってしまい、名前を変えたりして続けている会社もありますが、今ではほとんど目立たなくなってしまいました。

本質的なところを間違えてしまったのではないでしょうか。

 

品質と生産性は常にリンクしています。

生産管理が品質を管理するというのは、決して荒唐無稽なレトリックではないのです。

 

出典:『品質でもうけなさい』面白狩り(おもしろがり)


ものづくりニュース編集部です。日本の製造業、ものづくりの活性化を目指し、日々がんばっています。