NICTら、上空のドローンから地上のロボットを遠隔制御する技術を発表

NICTら、上空のドローンから地上のロボットを遠隔制御する技術を発表

情報通信研究機構、産業技術総合研究所、科学技術振興機構が、空を飛ぶドローンを経由して地上を走るロボットを遠隔制御できる無線通信技術を開発したことを発表した。

技術の概要

制御用の電波が直接届かない場所(見通し外)にあるロボットを、他のロボットを経由して遠隔制御し、さらにその状態を監視する技術を開発。しかもこの技術はロボット間による中継経路が移動によって頻繁に切り替わる状態であっても、通信が切断されないという。実験では見通し外にある小型4輪ロボットに対し、上級のドローンを経由してコントロールすることに成功した。

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開発の背景

これまで広い範囲を移動しながら活動するロボットを操縦者が遠隔制御する際には電波を使った無線通信が使われていた。しかしロボットが厚い壁や建物、樹木、山などの障害物の反対側に回り込んでしまった場合は、電波が遮られることで通信が途切れ、ロボットの遠隔制御ができなくなってしまう。

こうした課題に対し、中継装置の役割を果たすドローンを飛ばすことで問題を解決。通信方式は、ほかの機器の電波の混信が起きづらく、通信が遅れることも少ない920MHz帯の新たな通信方式を採用した。

今後の展望

今後はドローンをドローンで制御する技術を開発予定。さらに920MHz帯に加えて、さらに遠くに電波を飛ばせるVHF帯を追加した無線装置に拡張していきたいとしている。

また開発した技術は、電波が伝わりにくい建物内やその近傍などでの災害時の調査だけでなく、山間部でのモニタリング調査や物資の配送、複数のロボットやドローンが自律的に協調し合いながら高い信頼性を持つ無線ネットワークを構成するシステムの基盤にとなることを期待しているという。

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出典:「電波が直接届かない環境でもロボットを安定に制御する技術を開発~上空のドローンを経由し、見通し外の小型四輪ロボットを遠隔制御できることを実証~」国立研究開発法人 科学技術振興機構


株式会社アペルザで「ものニュー」の記事制作をはじめ、コンテンツ制作を担当しています。これまでひたすら文系人生だったこともあり、ものづくり関しては何がわからないのかもわからないレベルです。ものニューを通じて私も知見を広げていきます。得意なことはけん玉で、特にうぐいすと灯台系は自信があります。