ISO9001とTS16949の違いを理解しよう!!

ISO9001とTS16949の違いを理解しよう!!

以前弊社で「TS管理セミナー」を開催しました。
講師には、ビューロ・ベリタス・ジャパンで主任審査員をされている
岩間清行先生に来ていただきました。

審査員というと堅いイメージがありますが、
岩間先生はとても気さくで話が上手でした。

セミナーの中でも審査の裏話的な話をしてくれました。
もちろん、守秘義務の範囲の中で。

岩間先生はTS管理セミナーの中で、
ISO9001(以下ISO) とTS16949(以下TS)の違いについて解説してくれました。

ISOは、ほとんどの企業でその認証を取っていると思いますので、
みなさんよくご存知だと思いますが、
TSについてはやはり自動車関連の企業に限定されているので、
あまり一般的とは言えません。

その違いをISOは理解している前提で、分かりやすく説明してくました。

両者の最大の違いは、
ISOは品質管理に関してどこまで実施するのかのレベルは品質方針が決めるのに対して、
TSは契約が前提、つまり要求事項がキッチリ存在することです。

わかりやすく言うと、
ISOは品質管理の内容や実施頻度などをISOの要求事項に合っていれば
自社で決めることが出来るのです。
会社の規模やレベルによって、実施する内容に違いがあっても構わない訳です。

ISOの認証取得の場合、
小規模企業が大企業と同じ内容、レベルのことをやろうとすると無理が生じ、
企業の実態とはかけ離れたISO認証維持のためだけの業務が生まれてしまいます。

審査員も会社の規模やレベルによって斟酌しているという事になります。
しかし、最近はそうした事情を考慮するのはやめて、
ダメなものはダメと判断するように変わってきているとのことでした。

一方TSは、
会社の規模やレベルに関係なく要求事項の内容をキッチリ実施することが求められています。
従って、会社の規模や要求に関係なく同じレベルの対応をする必要があるということです。

その理由は、両者を審査するときの審査員の目線の違いで説明ができます。
ISOの場合、審査員の目線は、
ISO規格、法令/規制、組織の要求事項に合っているかどうかの
適合性や有効性を評価する位置にあります。

片やTSの場合、審査員は顧客目線で審査適合、有効性評価をします。
つまり顧客の立場に立って、安心できるのか、納得できるのかということになります。
顧客から見れば、ものを買う時の品質に企業の規模は関係なくよいものを求めるということです。

TS第3者認証審査の目的は、「契約未達のリスクを潰す」こと。
契約事項を完全に守る外注、
つまり顧客にとって一番よい外注先であることが求められているのです。

 

出典:ISO9001とTS16949の違いを理解しよう!!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/