ISOのために記録を偽造??
ある日系工場ではそこそこ工場管理は出来ていましたが、不十分な点もあり顧客に不安を与えていました。
工場管理のあるべき姿を描き現状とのギャップを認識して、そのギャップを埋める作業を支援しました。
現状を把握するために工程ごとに管理内容とその適切性の確認を進めていきました。
ある工程で現場の班長にヒアリングを行っていったときに標題の事実が出てきました。
その工程では作業者が1人1台機械を使って材料を加工していました。
機械に不具合があれば、作業が止まり生産性に影響を及ぼすことになります。
それを予防するために日常点検や定期点検を行うので、それらの実施と実施内容を理解しているかチェックしました。
日常点検については、実施され、その内容の理解も問題はありませんでした。
ところが定期点検項目では実施の記録はありましたが、実施する内容を聞いても班長が答えられてないでいました。
すると同席していた科長から
「実は、この定期点検項目表は実施の記録は書いているが、実際にはやっていない。ISOのために付けている。」
との話があったのです。
定期点検自体をやっていないのですから、その内容を答えられるはずがありません。
答えに窮している班長を見て、科長が事実を白状したという次第です。