「川を上れ、海を渡れ」の実践に向けて、まずは外から見た日本の姿を知る

日本人へ リーダー篇

塩野 七生

オススメの理由

外から見た日本の姿を的確に言い表している

日本のものづくりに『国際化』を避けて通ることはできない。次の時代を担う若者に期待すること……「川を上れ、海を渡れ」。

「川を上れ、海を渡れ」とは、連綿と続く時間の流れを遡り、歴史を学ぶこと。そして字の通り、海を渡り海外に羽ばたき、外から見た日本のものづくりを学ぶことである。

塩野七生は、1937年日本で生まれ学習院を卒業。1970年からはイタリアに移住、ローマに住み ながら古代から中世に至る歴史小説を手がけ、代表作『ローマ人の物語』の超大作を書いた歴史 作家であり、塩野氏は名実ともに「川を上れ、海を渡れ 」を実践した、第一人者である。

 

私がすすめる、塩野七生著『日本へ リーダー篇』は、雑誌「文芸春秋」の巻頭コラムをまとめて 本にしたものであるが、塩野氏独特の歴史感による日本人への警鐘など、外から見た日本の姿を 的確に言い表しており、はっとさせられることがある。

日本は言わずと知れた「ものづくり大国」である。

日本人には、はるか昔より育まれた「ものづ くりの遺伝子」が脈々と流れているが、数十年前のバブル崩壊以降すっかり自信を失い、アメリ カ主導の「グローバル化」の波にのまれ、本来の「日本らしさ」を何処かに忘れてしまったので はないだろうか?

 

塩野氏の『日本人へ リーダー篇』を、これから製造業で働く新入社員に読んでもらい、これを きっかけに『日本人の誇り』、『日本のものづくりの誇り』を認識し、日本の輝かしい『日本のものづくり』を再構築してほしいと願っている。

「川を上れ、海を渡れ 」の実践にむけた先駆けとして、ぜひ読んでいただきたい本である。

製造業の若手・新入社員に向けたメッセージ

川を上れ、海を渡れ

同書を読んで『日本人の誇り』、『日本のものづくりの誇り』を認識し、日本の輝かしい『日本の ものづくり』を再構築してほしい。


私がオススメします

髙木 俊郎

株式会社アルファTKG 代表取締役

1953年長野市生まれ。
2014年3月までアマダ専務取締役。

電気通信大学時代からアジアを中心に海外を訪問して見聞を広め、77年にアマダ入社後も海外販売本部長や欧米の海外子会社の社長を務めながら、グローバルな観点から日本および世界の製造業を見てきた。