抜取検査で全数検査と同じ効果を!!
以前弊社で開催した「トヨタ生産方式による工場生産性向上と中国展開セミナー」の中で講師の青木先生は、品質を確保するには抜取検査で全数検査と同じ効果を持たせることだと言っていました。
トヨタでは数千種類の部品を使っているのですが、自動車という製品の性質上ひとつでも不良があると大きな問題に発展する可能性が大です。従って、部品も全数検査を行い問題の
ないものを使いたいのが本当のところです。
しかしながら、数千種類の部品のすべてを全数検査するだけの人も工数もないので、抜取検査で対応せざるを得ないのが実状です。
抜取検査で最大の効果を発揮させるためにやっているのは、品質のトレーサビリティーを100%にすることで、全数検査と同等の結果を得るようにすることです。
その方法は、抜取検査の実施単位を決めておき、その実施単位の最後のワークを検査して合格ならその単位のワークはすべて合格と判定できるようにする。
もし、最後のワークが不合格だったら、その単位のどこかで不良に転じているので、その単位を全数チェックして合格品と不合格品に分けることをやります。
そして不良対策を行い、問題なく生産ができるようにして、再び単位ごとの検査で品質を保証できるようにしていくのです。
こうすることで、抜取検査で全数検査と同じ効果を得ることが可能になります。
この仕組みが出来るためには、不良品がランダムに発生するような要素がないことが前提となります。
例えば、金型で加工する場合のワークの位置決めでは、どのように位置決めをするかが重要です。
作業者が正しくセットする前提の位置決めでは、何かの拍子に作業者が正しくない位置にセットすることが必ず起きます。
この不良はいつ発生するかわからず、今生産したのが良品でも1個前の生産品が良品である保証はありません。
ですので、金型上にワークをセットするときは正しい位置にしかセット出来ないようにすることが必要になります。