中国工場での自己申告制度の是非?!
前回わたしが中国駐在中に経験した自己申告制度と
中国人スタッフとの間の出来事を紹介しました。
これに関連し読者の方から届いたコメントを紹介します。
自己主張がはっきりしている中国人に対して、
事前に十分な説明無しに自己申告制度を運用すると
わがままの言い放題になる懸念があります。
今回のメルマガの事例でも、
普段十分なコミュニケーションが取れていれば
突然の移動希望ということにはならなかったのでは思いますが、
実際には言葉の壁もあり中々難しいですね。
時間を掛けて育てた人材が、
他の会社に移動させないため本人の希望を
吸い上げる制度は必要と思います。
Iさん、コメントありがとうございました。
わたしが駐在していた中国工場で
自己申告制度を取り入れている目的は、
中国人社員が会社や仕事に対して普段
どのように感じているのかを把握するためでした。
具体的に書くと次のようになります。
・現在の仕事に満足しているか。
将来の自分のキャリアをどう考えているか
・自分の処遇に満足しているか。
・不満とされた部門の管理者に知らせ、
管理や管理者に問題がないか考えさせる。
中国で長く工場運営するのなら自己申告制度は必要と、
考えている方は多いかもしれません。
ただし、ある程度の規模以上というのが、
要件の1つだと思います。
どうしてかと言いますと、規模が小さければ、
自己申告などしなくても、
中国人従業員の想いを把握することは可能だと思うからです。
問題点は、自己申告の活用です。
希望は出したものの何の反応もない。
実際のわたしが駐在していた中国工場でも、
人事部門に聞いてみたら、自己申告で実際に異動するのは極々僅かということでした。
これでは、逆に中国人スタッフの側に不信感が
募ってしまうのではないでしょうか。
フォローが出来ないなら、
やらない方がましだと言う話になってくる訳です。
別のコメントもいただいています。
自己中心的、自己過大評価、自分の都合優先の当地で、
自己申告制度など、考えただけでも恐ろしい。
Mさん、コメントありがとうございました。
この気持ちよく分かります。
「その通りだ」と思っている読者の方も
多いのではないでしょうか。
これもまた中国の一面であることも事実です。