爆速中国企業から学んだ日本企業の弱さ

爆速中国企業から学んだ日本企業の弱さ

実際に中国企業と付き合う中で実感した、日本企業に足りないものとは?
一昔前の中国製品は、安かろう悪かろうと言われ、安さが売りで品質は安いなりの品質だった。
しかし時代は変わり、安いだけでなく品質も高く、そしてリリースも早い中国企業が世界をリードしている。

 
 

安かろう悪かろう中国の終焉

昔TVで、今の中国の技術力は、日本企業の技術指導があったからだというドキュメンタリー番組があった。
以下、要約。
昔の中国は、不良品(リワークすれば使える)や廃品(リワークも出来ない)の区別がなく、同じ場所に置かれ、
形が出来れていれば良品として出荷されているような企業も多かった。
そんな時に戦後の立ち上がりやHigh Qualityと言われるまでになった日本企業が中国の要請を受けて、技術指導を行った。
PDCAや5Sを落とし込み、中国企業の良品率や純利益が増大したという話。

そうはいっても私の印象は変わらず、1年前まで中国企業は安かろう悪かろうという印象だった。
スマホやPCにしても、中国の製品は安いけど、作りや検査が雑で壊れやすいだろうなと思っていた。
それが一転。中国企業(顧客)との取引や品質監査を受ける中で、変化や対応の速さや品質管理のレベルは日本を凌駕していると感じた。

 

日本の標準化 VS 中国の自動化

日本は昔から職人技術に特化し、人依存の品質を守る為の標準化を進めてきた。
今もなお、モノづくりをしている日本企業の多くは人によるバラつきをなくすための標準化に力を入れている企業は多いことだろう。
毎日人が点検し、抜けや漏れがないか確認する。選択したパラメーターに間違いがないか、指差し確認やダブルチェックを行う。
紙媒体で電子化されておらず、データの解析や不具合調査に時間が掛かる。などなど。
現在は、IoTやAutomation、AIというワードが頻繁に飛び交っており、講演なども多数あるが、実際に導入して成功している中小企業はかなり少ないのではないかと思う。
1番の弊害はお金と言われていますが、マニュアル作業工程に自動機を入れたり、紙媒体での記録をIT化させるにはかなりのお金がかかります。

一方で、付き合いがある中国企業はと言えば、工程は自動化され、管理はIT化されている。
カセットをセットすれば、良品が出来上がるようなイメージ。
工程内の製品はバーコード管理され、どの製品が何の工程にいるのか、その製品の検査履歴や製造履歴は携帯電話さえあれば、見ることができる。
また、ドライキーパーのN2流量も、オンライン管理されていて管理値を下回ればアラームが鳴り、テクニシャンに連絡が行くようになっている。
出荷する製品ももちろんバーコードで照合する為、違う顧客向けの製品を誤って出荷する事もない。

どこから金が出てるんだと思いますが、彼ら中国企業の考え方は、人による標準化はもはや信用には値せず。
人はミスして当然。だから、自動化やIT化して、初めて信用してもらえる世界でした。

 

日本企業の品質監査と中国企業の品質監査

今まで私は、品質保証部として国内外の顧客の品質監査を対応してきました。
国内顧客の多くは、そのサプライヤーの現在の力量や技術力に合わせた指摘を行います。
私自身も、サプライヤーさんに対して、(最低限のレベルはあるものの)基本的にはそのサプライヤーさんのレベルに合わせた監査を行います。

中国企業の品質監査はと言うと、
そのベンダーの現在の力量なんて全く関係なし。いや、知ったこっちゃない状態。

出来てないんだったら、やれ。
出来ないんだったら、取引はしない。

衝撃でした。でもこれが、これからの時代、企業として生き抜いていくために必要なことなんだと知りました。
同時に、外に目を向けて仕事をしないと、爆速で変化していく時代に取り残されると知りました。

日本企業に足りないもの

日本企業と書きましたが、あくまで印象でしかありません。

まだまだ変化を苦手とする、変わりたがらない文化が根強く残っていると感じます。
そして、自分と同じような周りの企業を見て、まだ大丈夫と安心し、世界から目を背ける体質があるのではないかと思います。

あるいは、お役所体質でスピードが遅く、爆速で進む市場チャンスを逃してしまう事もあるのではないでしょうか。

もっとブレイクダウンしていくと
気を使って、言いたい事を言わないとか
Hotな情報を、すぐにシェアしないとか
現状満足してしまっているとか(あるいは諦めてしまっているとか)。
あるいは、決定や承認が形式的になり、レスポンスや判断が遅くなったり。

中国企業はwechatなどでチャット形式でスピードを速めているそうです。
メールはもう古い、というか即時性(スピード)に欠けるのかもしれません。
日本企業の柔軟性が今後の生き残りのKEYになってくると私は考えています。

皆さんの会社で、ここが旧体質だったけど、こうやって変えた!とか
こういうマニュアル作業をこんな風に自動にしてやったぜ とか
あるいは、ここ変えたいんだけど、なかなか変えるのが難しいとか
そのような意見があればコメントして頂ければと思います。


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。