中国工場の不正-人材派遣との癒着!!
不正は、派遣会社との間の癒着だったので。
派遣社員は、生産変動に対する緩衝材の役割だったはずが、
よく調べてみると毎日同じ人数の作業者が来て作業をしていました。
生産の担当者に事情を聞くと、
「これは仕方がない。自社で工員募集はしているが、なかなか採用できない。
採用してもすぐに辞めてしまいます。
派遣の作業者は、もう長いこと来ているので作業にも慣れています。」
と説明がありました。
派遣作業者を直接雇用に出来ないのかと聞くと、
それは派遣会社との約束で出来ないとのことでした。
派遣の作業者がもらっている給料は、自社で雇っている作業者とほとんど同じです。
派遣会社に払う額は、派遣会社の取り分を上乗せしているので高くなりますが、
許容範囲と思われました。
このような状況なので、派遣作業者の問題は当面手を付けずにいました。
ところが、ある時ひょんなことから派遣作業者に絡む不正の手口がわかりました。
その手口は、派遣される作業者の人数を水増ししていたのです。
名前だけ登録しておいて、実際には来ていない作業者の分の給料を毎月払っていたのです。
派遣作業者の出勤管理は、生産部の中国人責任者の仕事でした。
以前いた香港人がこの中国人責任者を使って人数を水増しし、
派遣会社からバックを受け取っていたのです。
もちろん、中国人責任者にもおこぼれがありました。
香港人が辞めさせられた後も中国人責任者は、水増しを続けていました。
違いは、中国人責任者はおこぼれではなく、
派遣会社からのバックを1人占めにしていた点です。
経理部門は、生産部が人数管理をきちんとやっている前提で、
提出された名簿の人数分の給料を払っていました。
日本人が入ってきてもこの不正の手口はすぐには気が付きませんでした。
金銭の支払いに関する問題は、2重3重でチェックする体制が必要ということです。
特殊な事例だとは思いますが、日本人がいても中国人に任せきりは危険です。
「信用はしてもチェックは怠らない」ようにしましょう。