◎楽しい平面研削~研削反りとその対策~
私は何種類かの工作機械加工を勉強しましたが、その中でも平面研削加工が好きです。
平面研削加工を簡単に言うと、砥石で金属などの工作物を削る加工で、表面粗さ精度や厚み精度、また平坦度を高精度に仕上げる事ができる加工です。
~平面研削を簡単に言うと~
鉄やアルミやステンレスなどの金属材料の加工を行います。また、硬度の高い材料(例えば焼入れ鋼や超硬)を削る事も出来ます。
工作物が磁性体の場合、多くの加工工程でマグネットチャックを使用して固定(保持)します。マグネットチャックが使えない非磁性体の工作物、例えばアルミやステンレスは、チャッキングに工夫が必要となります。ちゃんと固定しないと加工中に工作物が飛んでいってしまう、といった危険性もあります。
~研削反り~
研削加工を行う場合、砥石選定はもちろん、加工液選定や、このチャッキング方法も考える要素のひとつになりますが、私が平面研削加工を行う中で最も難しい、と考えるのは「反り」です。
工作物を削っていく中で熱や材料の残留応力などの影響により、文字通り反ってしまうことがあります。反りが大きくなってしまうと、平坦度精度が範囲外でNGとなる場合も有ります。
また、極端な反りが発生した場合は、工作物が反り上がり、砥石が食い込んでしまう事も有ります。
~反り対策~
材料や形状、また研削加工の前加工によっても加工中の反りの出かたが違う場合があります。加工前の段階で反っている工作物の反りを取りながら平坦にする削り方や、薄板の削り方、また、大きな工作物でも平坦度を精度良く削る方法など、工作物により削り量や削る順番を良く考えて取り掛かる必要があります。
また、日頃から「チャックの平坦をきちんと整えておく」といったメンテナンスをしておく事は当然のこと。
時間短縮とばかりに、どんどんと重研削すれば当然のように反ります。だからといって少しずつ削ればよい、というものでもありません。砥石が悪い(目詰まりなど)状態ですと、ほんの数ミクロン削っただけでも数十ミクロン、反ってしまう事もあります。
削っている状態を良く観察する、といった感覚的なことも必要となる場合があります。
砥石の状態を管理することも重要です。
~私の感想~
図面にある精度内に仕上げる事は当然ですが、自分の立てたプラン通りに削る事ができるととても爽快です。
研削加工の前後では形状が大きく変わらない場合も有り、結構地味に感じてしまう加工かもしれませんが、実は色々な要素のある、奥深い加工です。
研削加工に限りませんが、工作機械加工は危険な面もあり、注意を必要としますが、きちんと加工機を使いこなすことが出来て、思い通りの加工が出来るととても楽しいものです。
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