ドッグボーン現象って?|エンジニア☆玉手箱 第4回
液剤塗布トータルソリューションのサンエイテックが提供する面白ブログ「エンジニア☆玉手箱」より、ちょっと前の技術者が考えていた未来がどのように変わっていくのかの読み物編、ディスペンサーを初心者向けの入門編、実際の塗布現場での問題解決のヒントなどを面白く分かりやすくご紹介します。
- 第1回:『ディスペンスの語源は人を幸せにすることだった?』
- 第2回:『どうしてディスペンサーを使用するの?』
- 第3回:『用途に合ったディスペンサーとは?』
- 第4回:『ドッグボーン現象って?』
第四回目となる今回は「ドッグボーン現象って?」です。
⾃動化ラインで塗布する場合、製品の品質や接着強度を⼀定に保持するために、連続した均⼀塗布を⾏うことは⼤変重要ですが、例えば、⾼速で線引き塗布した場合に、ディスペンサーによって、開始点や終了点が設定したライン幅より広くなる現象があります。これが「ドッグボーン現象」といわれるものですが、今回はその原因と対処法について掘り下げてみます。
塗布したラインの始終点が広がる現象をドッグボーンって呼んでるんだぜ。ドッグボーンができると作業が滞って超困るんだよ。
なんでドッグボーン、犬の骨っていうんだろ?
ドッグボーン現象は、液剤の⽐重や粘度、使⽤する塗布装置の構造、設備動作などが密接に絡み合って起きるんじゃ。
① シリンジ⽅式の場合
ロボットの加速、減速域で設定速度に達しないため吐出量が増えることがあります。
② ニードルバルブの場合
内部構造のニードル弁が、終点域で液剤を押し⽌める時に、液剤を過剰に塗布する場合があります。また、塗布開始時に圧⼒が最も⾼くなることも影響します。
ドッグボーン現象は、設備のパラメータの調整以外でも、液剤との相性や条件に合わせたバルブ選定で軽減することができるんじゃよ。
サンエイテックには、様々なバルブのラインナップがあって、経験豊富なスタッフが対応してくれるから安心なんだぜ。
⼀⽅で、ドッグボーンが起きにくい構造のディスペンサーが、容積計量式ディスペンサーとJET式ディスペンサーです。容積計量式ディスペンサーは、ステーター内のローターの連続する回転運動で液剤を定量に移送し吐出します。ディスペンサー側で回転速度を制御できるのでドッグボーンは起きにくくなります。
JET式ディスペンサーは、同サイズの液滴(ドット)を連続で⾮接触塗布してラインを形成するためドッグボーンは起きにくくなります。
「ドッグボーン現象」の発⽣は、通常、液剤の⽐重や粘度、使⽤する塗布装置の構造、設備動作などが密接に絡み合って発⽣します。問題の解消に、各々のパラメータの微細な調整や設定は不可⽋ですが、本来のバルブの構造からドッグボーンが起きにくいディスペンサーを選択する⽅法があります。
また、容積式定量ディスペンサーやジェット式ディスペンサーを使⽤すると、⼀定のピッチを維持しながら安定した塗布を⾏うので、ドッグボーンの発⽣を抑えて開始から終了まで均⼀幅でスムーズに塗布することができます。ディスペンサー選びにお困りの際はぜひ、お気軽にサンエイテックの液剤塗布スペシャリストにご相談下さい。
サンエイテックではあらゆる液剤塗布の最適ソリューションをご提案しております。詳しくはこちらをご覧ください。
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