中国人と英語でのコミュニケーションで大丈夫?
先日某社主催で「海外工場での外観目視検査のやり方」をテーマに2日間のセミナーがあり、その1日目の講師を務めさせてもらった。参加者に記入していただいたアンケートを拝見すると2日間ともその内容に満足していただいたようだ。
みなさん外観検査の精度アップという課題を持って参加されていたのですが、中には工場の海外展開を始めたばかり、または今後中国への展開を考えている方もおり、中国工場展開への留意点をサブテーマとして参加された方もいた。
昼の休憩時間にある参加者の方から先生は中国語は話せるのですか? と聞かれた。簡単な日常会話程度なら話せますと答えた。その方は自分は中国に出張によく行くが中国はできないんです、と言われた。
その方の会社は中国で製造委託展開を始めた。製造委託なので自社工場ではないので日本人駐在員はおいておらず出張者で対応をしていた。そのために日本語の通訳はいないとのことで英語のできるスタッフがいるので、すべてのやり取りを英語でやっているとのこと。
今日のポイント
わたしは中国の人と英語でやり取りするのは不安ですね、と言った。もちろん中国人でも自在に英語を操る人はたくさんいる。でもそんなに規模の大きくない工場にそこまでのレベルの人がいるとは思えない。
不安なのは中国人の英語力だけではない。こちら、つまり日本人側の英語力も不安だ。この方の英語力がどの程度かはわかりませんが、多くの日本人の英語力は中国人同様に高くない。
懸念しているのは、このお互いに大したレベルではない英語でコミュニケーションを取る、仕事の話をする、まして大事な品質部分の話をお互いの片言の英語で行うことだ。
わたしの知っている範囲で、中国人と日本語の通訳を使わず英語でコミュニケーション、仕事の話をしてお互い満足できるレベルの仕事をやった人を見たことがない。もちろんわたしの狭い経験の中での話なので、きちんとやった事例もあることでしょうが。
補足
以前も中国企業のトップと英語で仕事の交渉をしていた例を紹介したと思うが、わかったみたいなことは言うのだが、やはりこちらの意図通りに物事は進んでいないのが実状であった。
費用対効果やスピードをどう考えるかでしょう。