身近になってきた宇宙とテクダイヤの関係
先日、テレビを見ていて興味を持ったサービスがある。宇宙葬というものだ。
1センチ四方のカプセルに遺灰を入れて、それを人工衛星に乗せて宇宙空間まで運んでくれるらしい。はたして遺灰と一緒に魂もそこに存在するのかはわからないが、やはりどんなかたちであれ地球を外から眺めてみたいと思う。
人工衛星といえば、電子部品の小型、高信頼性化が進み、製造コストが大きく下がったこともあり、民間衛星の打ち上げが数年前から増えてきている。弊社のチップコンデンサやセラミック製品もそこに貢献できているのではないかと思う。
実は、セラミック製品以外にも弊社製品が民間衛星に搭載され実際に運用されている。
その製品はDCPowerBoardという。DCPowerBoardは、GaAsFETやGaNFETといった2つの電源電圧でシーケンスを必要とするデバイスを、1つの電源で自動制御するようにデザインされており、世界中のアンプメーカに採用いただいていた(時代の流れにより廃番)。
人工衛星に搭載したいとのお問い合わせをいただいた時点では、あまりにも環境条件が厳しすぎて動作保証はできない事をお伝えしたのだが、まずは試験をしてみたいという事でご提供したという経緯がある。
それから数か月後、試験に無事合格して衛星への搭載が決定したというご連絡と共に搭載ユニットの試験結果までご報告くださった。
HALT(HighlyAcceleratedLimitTest)という、いわゆる破壊試験でも評価を実施したが、結局DCPowerBoard部分は壊れなかったとのことだった。
想定を超える環境条件でも結果が良好だった理由は、電子部品の信頼性が向上していることに加え、回路構成および機械的構造がシンプルだったこと、人工衛星は省エネ設計されているので電流負荷が少なかった(ディレーティングされていた)ことにあると思う。
いずれにせよ、宇宙分野のプロジェクトに貢献できていることは、とてもありがたく思っている。