オススメする理由
敷居が高いとされるドラッカーの中でも比較的読みやすい
「もしドラ」ですっかり有名になったドラッカーですが、「やっぱり敷居が高い」という人も多いのではないでしょうか。
そんな人に『ドラッカーの著書の中で最初に読むべき一冊』として選ぶとしたら、比較的読みやすく、若い人にもきっと参考になるのがこの本ではないかと思います。
これからのモノづくりを支えていく為には「自分は経営者になるつもりは無い」という人でも、経営者やエグゼクティブがどのようにあるべきかを理解することは不可欠だと思います。
本書の主題は「どうすれば成果をあげられるのか」という1点に尽きます。
ドラッカーは、成果をあげるためにエグゼクティブがなすべきことを、時間の管理、貢献へのコミットメント、人間関係、自分や部下の強みを生かす方法、仕事の優先順位、意思決定などの視点から解説しています。
ドラッカーのアドバイスは経営者に限らず、企業で働く人にならきっと誰にでも役に立ちます。
そしてこれからの人生で、おそらく何度読み返してもその時々に違った形で役に立つ一行が見つかる本だと思います。
製造業の若手・新入社員に向けたメッセージ
自らの手で未来を創り出していくことができるのが製造業の醍醐味
これからの製造業に期待されることは、ただ単にモノを作るということでは無いと思います。
これからの社会が抱える課題を踏まえた上で、自分たちの未来をどのような姿にしたいのかを描き、生活者の視点に基づいて新しいライフスタイルを創り出していくことが求められます。
そのためには、今を未来に延長する「フォーキャスト」ではなく、意識を未来に飛ばし、そこから「バックキャスト」することが有効です。
成り行きの未来を予測するのではなく、自分の頭で未来を描き、自らの手で未来を創り出していくことができるのが製造業の醍醐味です。
未来を描き新しいアイデアを提示すれば基本的には周囲の人からは否定されるものだと覚悟した方がいいと思います。
むしろ否定されないのであればそこに新しさは無いということだと思います。否定されても掘り下げる。アイデアを形にして示す。それを繰り返すそのプロセスが大事です。
そのプロセスを通してビジョンを突き詰めていく。「こんな未来を創り出したい。あの人のことを幸せにしたい。何が何でもこれを実現したい。」それくらいに思える何かを探し続けて欲しいと思います。
そのためにも立ち止まっているのではなく、まず自ら一歩を踏み出してみて下さい。
私がオススメします
水谷 世希
株式会社日立コンサルティング 経営戦略部 テクニカルディレクター
1988年(株)日立製作所入社
(株)日立総合計画研究所
(株)日立製作所 情報システム事業本部
(株)日立製作所 ビジネスシステム開発センター
(株)日立製作所 コンシューマネットビジネス推進本部
(株)日立コンサルティング