シーケンス制御講座「BCD出力」
基礎からはじめるシーケンス制御講座
中級:BCD出力
BCD出力について説明します。BCD(Binary-coded decimal)二進化十進数であり、二進数表示のものを10進数で表示を行ないます。
難しい話をしても分からないと思いますので、下のイラストを見てください。
ちなみに二進数とは2で桁が上がるもので、0か1かの組み合わせです。十進数は10で桁が上がるため、皆さんが普通に使用している数値のことです。
とりあえずシーケンサーの出力をイメージします。この8点の出力で、何通りのパターンの出力が可能でしょうか?
実は256通りのパターンが出力できます。
上の図のように「Y0」を1として、2倍に増やしていきます。
そして出力されたアドレスの値を足していけばいいのです。ためしに行ってみましょう。
「Y0」、「Y2」、「Y5」がONしていると過程します。
上の図のように足せば、合計が37になります。出力が全く出ていない場合は0ですし、すべて出力されれば255になります。0〜255の256パターンの出力です。
この出力バイナリ出力とよんだりします。ビットの基礎知識を説明したところで、「BCD出力」について説明します。
「BCD出力」は一桁を4個の出力で表示します。
1〜9の数値を「Y0」〜「Y3」の4個の出力接点で出力します。
上記の説明では、4個出力で0~15までの数値が出力できました。これを0~9まで使用して一桁に使用します。
これが「BCD出力」です。つまり「BCD出力」で12という数値を出力すると、勝手に桁上げされます。
そのため「Y0」~「Y7」までの接点が必要です。 一桁4点の出力(ビット)と覚えてください。
上の図のような感じで一桁4点の出力で扱います。二桁目は十の桁です。そして下の図のように出力させてみます。
「Y0」~「Y3」までが一桁目なので、「69」の出力となります。これが「BCD出力」です。
つまり一桁4点の出力で対応ができます。使用用途としては7セグ表示機への出力が主です。
また最近ではロボシリンダの制御にもよく使用されています。
ラダー図の書き方は次のようになります。
ここでは「D10」の値を出力するのですが、K2Y0に出力します。これは「Y0」から2桁分出力するという意味です
つまりこのように出力すると、「Y0」〜「Y7」までを使用します。
※BCD命令では10以上の数値は桁が上がってしまいます。4点の出力で15まで出力させたい場合はBCDの部分をMOVに変更してみてください。[MOV D10 K2Y000]
シーケンサーの種類にもよりますが、上記ラダー図では出力できない場合があります。その時は[BCD]の部分を[BCDP]に変更してみてください。
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