ものづくりニュース by aperza

1万2000枚の画像を1秒で検索するサーバ (庄司智昭,[EE Tim...

1万2000枚の画像を1秒で検索するサーバ (庄司智昭,[EE Times Japan])

 プレゼンテーション資料や企画書を作成するときに、「あのとき使用した資料/写真を探したいけど見つからない」といった経験はないだろうか――。

 富士通研究所は2016年2月2日、大量のデータの中から画像そのものを検索キーとして、検索画像の一部に一致する画像を高速に検索する技術を開発したと発表した。画像検索に必要な処理を行うアクセラレーターをFPGAに実装し、CPU上のソフトウェアと効率よく連携させることで、サーバの性能を大幅に向上。汎用サーバと比較して50倍以上の処理能力である、1万2000枚/秒の処理を可能にしたという。

消費電力も30分の1以下

 画像を検索キーとして、データベースの中から画像を探し出す技術として「部分画像検索」という概念は以前から活用されていた。しかし、汎用のサーバでは、計算量の多いため長い処理時間が必要になる。例えば、1万枚程度の画像の中から目的の画像を検索するのに、1分以上の時間を要するため、実用レベルには至っていなかった。

参考展示された高速画像検索に特化したサーバ「メディア処理向けドメイン指向サーバ」

 そこで、富士通研究所は大量の画像データに対して、部分画像検索を高速に実行できるサーバを開発。同等の検索性能時における汎用サーバとの比較では、検索性能は50倍以上の1万2000枚/秒、消費電力は30分の1以下、装置体積は50分の1以下を実現したとしている。つまり、1万枚の画像検索に掛かる時間は、“1秒”程度になるのだ。これにより、文書作成時間の短縮や、画像整理の効率化が可能になるとした。

特徴量抽出とマッチング処理部分をFPGAに実装

 部分画像検索を高速に実行することを可能にした要因は2つあるという。1つ目は、検索に必要なフローのうち、特徴量抽出とマッチング処理部分をFPGAに実装したことだ。「FPGAはCPUやGPUに比べて、演算器や並列度を柔軟に構成できるため、それぞれの処理を高並列/高密度に実装できた」(富士通研究所)と語る。特徴量抽出は32並列、マッチングは384並列実装し、高速な部分画像検索を実現している。

 2つ目は、処理のスケジューリングの最適化を行ったことだ。富士通研究所は今回、データの先読みを行いながら、状況に応じて処理順序の入れ替えを行い、読み出したデータが無駄にならないように制御するスケジューリング技術を新たに開発。これにより、高い処理性能を実現したという。富士通研究所は、「同技術は、画像の輝度値の濃淡情報から似ているかどうかを判断するため、のっぺりしているような画像では、画像の一致がなくても、似ていると判断してしまう可能性がある」と語る。

FPGAの実装とスケジューリングの最適化の概要。CPUとFPGAは汎用製品だが、「マッチングのアルゴリズムやFPGAの構成に当社のノウハウが詰まっている」とした 出典:富士通研究所

 富士通研究所は今後、高速画像検索IPを利用した全体的なシステムの開発を進め、2016年度中に実用化を目指すとしている。価格は非公開としているが、多くのサーバを導入するより、1台で多くの処理が可能となるため、総コストと省スペース化を考えると安くなるだろうとした。また、「今後は動画や音声といったさまざまなデータに対しても快適に扱えるような機能拡充を進めていく」(富士通研究所)と語った。


エレクトロニクス技術を駆使した製品を設計・開発するエンジニアやマネージャー層を対象に、半導体・電子部品、ディスプレイ、ネットワーク、ソフトウエア、エネルギー、設計・解析ツールなどに関する技術情報や、業界の最新動向を提供するサイトです。特集記事に加え、各種技術解説やトップへのインタビュー、海外発のニュースなど、エレクトロニクス分野における最新かつ専門性の高い情報を発信します。 http://eetimes.jp/