香港系プレス加工メーカー!(その2)
今回は、香港系プレス加工メーカー(その2)です。
総経理と技術責任者が香港の人でした。金属加工で扱っている製品は、小物がほとんどです。扱っている材料は、非鉄金属です。
前回のレポートでこの会社の製品は小物で難しいものが多い。技術力はある、と報告しました。今回は、工場の管理方面について述べたいと思います。
工程は次のようになります。とてもシンプルです。
1. 加工(プレス)
2. 洗浄
3. 検査
4. 梱包/出荷
工程毎の状況は、こんな感じです。
1. 加工(プレス)
ここでは出来上がった寸法が全てといっていいと思います。それは金型で決まってしまいます。管理としては、金型のショット数と出来上がった製品の出来栄えになります。出来栄え管理は、主に寸法と外観になります。
一般的に2〜4時間に1回検査をしています。ここでも外観は2時間おきに、寸法は4時間おきに検査していました。通常はこれで不良が見つかったら、前の検査までさかのぼって不良範囲限定をすることになります。
この工程検査は、図面上の寸法を全部測定しているわけではありません。この会社では、その測定しない寸法でクレームを出していました。あとから見ると、それによって明らかに形状も違うものとなっていました。
原因は金型にあったとのことでしたが、それを流出させたことを重大視しなくてはいけません。
- 測定箇所ではなかった
- 外観も傷や変色に注意がいっていた
- 正常品と異常品を並べれば、すぐにわかるが単独では判断しずらかった
などが流出の要因として挙げられます。
どれも工程検査ではそうかもしれません。ですが、出荷検査を別に実施しているのですから、そこでは発見しなくてはいけません。出荷検査も図面上の寸法全箇所を測定するわけではないと思いますが、その寸法によって形状が違ってしまうものであれば、検査実施項目にしなくてはいけません。
2. 洗浄
3槽式の洗浄機を使用していました。問題点はありません。
3. 検査
先に記した検査項目の問題はあります。この会社では、検査した製品をまたもとのところに戻すようにしていました。
前にも言ったと思いますが、検査品を戻すことは止めた方がよいです。混入の原因になります。クレームになったときの対応工数や費用を考えれば、よほどの数量でない限り検査品は廃棄するように指導しています。
4. 梱包/出荷
問題はありませんでした。
次回は、プレス品の工程能力について考えてみます。