設備故障時の危機管理はどうなっている??(その2)
前回はある日系中国工場で、機械が故障したときの対応に問題があるという話をしました。今回は、その続きを書きたいと思います。
この工場で問題だったのは、機械が故障したときの対応に計画性がまったくないことでした。また、故障したときにどうしなければならないという想定や決まりがないことも問題でした。
大事なのは、顧客要求に応えるという視点で、どうすればそれができるか、最善の手立ては何かを考え実行することですね。故障が発生したときの製品在庫と顧客要求数、そして1台で生産可能な数量を見て何日以内に修理が完了すれば、顧客に迷惑をかけることなく対応できることが分かれば、何としてもその期限内に修理を終わらせることを考え、そのための行動がとれると思います。
逆に、修理にかかる日数が判っていれば、同じく顧客に迷惑をかけることなく対応するには1台でどれくらい生産すればよいかがわかり、そのための手段を検討することになります。
ところが実際は、そのどちらも検討してなくもう1台での生産量を増やすことだけをやっていました。幸いにして、入手した部品は無事に取付けることができ、顧客に迷惑をかけることなく通常に生産体制に戻ることが出来たので、事なきを得ました。
機械の部品のスペアを持っておくことも課題として検討しなくてはなりません。これも含めて、機械が故障したときにどのような対応をしなくてはならないかをしっかり考えてもらうことにしました。
この工場には同様の機械が他にも何台かあり、治工具を揃えればこの製品用に転用することも可能でした。それをするかどうか、そこまでの検討も行われていませんでした。