計測器管理で必要なこと4つと、測定器の実例
テクダイヤでは計測器の管理を行っておりその内容を説明します。
計測器管理に必要な事項を書き出すと以下となります。
1.測定のトレーサビリティー
測定結果の妥当性に信頼性を与えるため次の事項を満たす必要がある。
1-1) 定められた間隔で国際計量標準または国家計量標準に対してトレーサブルである計量標準に照らして校正もしくは検証がおこなわれていること
1-2) 校正の状態を維持し、校正結果が無効となってしまうような調整、損傷または劣化から保護すること
1-3) 上記状態を明確にするために識別を行うこと(校正管理、校正ラベル)
2.使用測定機の妥当性
測定対象物に対し妥当な測定器を使用し測定を行う必要がある。
2-1) 測定対象物が必要とする測定能力を満たした測定器を使用すること
例)測定対象物の公差が3umであれば測定精度がそれ以下である必要がある。
2-2) GR&R(Gauge Repeatability and Reproducibility)
繰り返し性と再現性を評価するもので、繰り返し性(計測器選定の妥当性や測定者各人の力量の妥当性)と再現性(測定者間のバラツキ)を確認する手法を用いる。
3.温湿度の管理
測定器は温湿度の影響を受けるため、測定器の仕様に合った環境で使用する必要がある。
4.日常点検及び使用前点検管理
校正の状態を維持管理するために日常点検及び使用前点検を行い測定器の状態を確認する。
4-1) 日常点検及び使用前点検サンプルは日常使用するためハンドリングによるダメージを受けにくいサンプルが好ましい、ダメージを受けない工夫も必要
4-2) 日常点検及び使用前点検サンプルも定期的な更新が必要である。
校正後すぐに日常点検及び使用前点検サンプルを測定することで、そのサンプルを使用しての管理が可能である。
4-3) サンプルがダメージを受けた場合の予備サンプルも必要
4-4) 妥当な管理値を設定しグラフ化を行い測定器の管理を行う
テクダイヤで行っている計測器の実例
実例LCRメータ
1) 外部校正機関でテクダイヤ基準器の校正を実施
2) 温湿度管理の実施
3)工程内測定器と基準器間で相関測定管理を実施
4)使用前点検による測定器の管理
LCRメータの使用前点検で発生する問題点と改善
1.温湿度の影響により測定器とサンプルが影響を受け管理値に入らない
測定器には使用可能な温度範囲がありその範囲を超えると測定値の信頼性がなくなり異常値を示すことがあります。
クリーンルーム等の温湿度管理が行われている環境であれば問題ありませんが、このような環境外で測定器を使用する場合に発生する問題で以下のような対策を行います。
対策:温湿度の管理とウォーミングアップ時間を取り適切な環境で測定を行う。
2.測定サンプルがダメージを受け、管理値から外れる
管理値から外れると測定器を使用しないことになっているので製品への影響はないが測定器を使用できないので生産へ影響する。
このため予備のサンプルを準備しているが頻繁に壊れると管理できなくなる。
対策:壊れにくいサンプル作成と直接サンプルに触れない工夫を行う。
このように使用前点検を行い計測器の管理を行うことでデータの信頼性を確保し日々の生産を行っています。