西日本随一のFAロボットのショールーム
「ロボットパークひろしま」に潜入してきた
こんにちは、ものづくりニュース西日本支部の宮村です!
今回は広島にある、中国地方随一のFAロボットのショールーム「ロボットパークひろしま」がリニューアルしたということで伺ってきました。広島は自動車産業を始めとしてものづくりの盛んな地域で、最近では『ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会2018』というイベントも盛況でした。「ロボットパークひろしま」は地元広島を拠点に展開する、三光電業株式会社様が2018年に開設した施設になります。
三光電業株式会社様は「FA業界の情報ステーション」をモットーにFA業界の多様なお客様ニーズに応えるために、商社としての製品販売のみならず、技術開発部門を設けて自社で製品開発をしたり、FAロボットのシステムインテグレーターも担われていらっしゃいます。
取材時はあいにく雨でしたが、ロボットパークひろしまは広島駅からも公共の交通機関で15分程度とアクセスが良く助かりました。
早速潜入させていただきました!
中はこんな感じでロボットや説明資料が各所に設置してあります。
全体をざっと拝見した後に、アテンドしていただいた方にお話を伺いました。
こちらの施設は「ロボットによる自動化には興味があるが何から着手したら良いのか分からない中小企業の皆様が気軽に立ち寄れるロボット展示施設」というのをコンセプトに開設されたとのこと。大手製造業では既にロボットによる自動化がどんどん進んでいますが、やはり今後中小企業の皆様にどうその波を波及させるか、が課題なのは言うまでもないです。その課題に、実際に見て触れて試せる施設の果たす役割は大きいはず。
こちらの施設では中小企業の皆様のFAに寄与する上で、大きく4つのテーマがあります。
1:システムの展示
2:情報の発信
3:コンサルティング
4:人材育成
1:システムの展示
搬送や組み立て、箱詰めなど様々な工程のロボットのデモが見られるような形で展示されています。こちらはビジョンセンサとロボットを組み合わせて物を搬送するシステムです。人協働ロボットもデモを行っており、実際に人と協働して作業する際の安全性のイメージも実感する事ができます。
基本的には定型のデモが中心となりますが、具体的に自動化したい業務について相談することで、その業務に合わせたデモも可能とのことです。(実際にお客様の業務内容に合わせたデモを行っているロボットもありました。)
2:情報発信
次に情報発信です。経済産業省を中心にFAロボットの導入を推進していることもあり、補助金や導入事例の情報は多く発信されています。こちらの情報発信コーナーではそれらの情報発信を行っています。
3:コンサルティング
次にコンサルティングです。三光電業のものづくり統括部の方が実際にお客様のお話をお伺いしながら自動化についての相談に乗ってくれます。具体的な業務を確認しつつ、実際にロボットにプログラムをしたりしながら、中小企業の皆様にリアル感をもってもらえるような施設になっているなと感じました。やはり実機を見たり、テスト的に動かしてみる事によって“目で見る”価値というのは大きいです。
また、ロボットの導入だけではなく生産ラインへのIoT導入によるデータ取得や活用についても相談に乗ってくれるようです。
4:人材育成
最後に、人材育成への取り組みは今後更に強化されていきたいということでした。特に中小企業においては、ロボットや設備を導入した後の運用が課題になることが多く、特定のスキルを持った人や外部のインテグレータに依存しすぎてしまうとリスクが高くなってしまいます。やはり社内でロボットのことを理解している人間は必須ですが、そのスキルを社員に身につけてもらうのも一筋縄ではなかなかいきません。こちらの場所で、そのスキル開発を行っていき、中小企業の皆様の会社の中でロボットを理解できて運用できる状態を作り出していこうと取り組んでいかれるとのことです。まさに、ロボットで効率化が出来たとしても万が一何かトラブルが起こったときに対応できる人間がいないと、逆に効率を落としてしまう事になりかねませんので非常に重要な要素と言えるでしょう。
最後にお話をお伺いする中で、「中小になればなるほど大手から下請けで自動化が難しい工程が増えざるを得ない中で、人手不足が深刻化しており厳しい状況に陥っている」というお話が印象的でした。まさに今後は中小の製造業の皆様に向けた自動化が必要だと思いますし、そのためにはやはり目で見てみることや、リテラシーを身につけることが重要だなと感じた次第です。
今回アテンドしていただいた三光電業 ものづくり統括部の坪井様(写真右)とこちらの施設のアテンドスタッフの齊藤様(写真左)、本当にありがとうございました。