製造業におけるプロセスカード(製作指示書/作業指示書)の大切さ。記録はしっかり残しましょう。
プロセスカードとは
テクダイヤでは、プロセスカード・製作指示書と呼ばれていますが、「作業指示書」「工程指示書」とも呼ばれており、製造するプロセスを指示する記録用紙のことです。
製造プロセスにおいて、次がどの工程で、どんな条件で製造するのかが記載されており、工程担当者は指示書に記載してある条件に従って工程を進め、さらに、いつ・誰が・どの条件で工程を実施したか、記録していきます。
テクダイヤの指示書に記載されている内容は下記です。
型番
お客様の品名
ロット番号
納期(期日)
工程(実施作業と作業予定)
作業日
プロセスカードの役割
プロセスカードには、様々な役割があります。
その役割を、ご紹介させていただきます。
① 伝達する
テクダイヤでは、たくさんのプロセスを経て、1つの製品が出来上がります。
量産工場の場合、2~3交代で業務を引き継いでいきます。
交代の時には、いつ・誰がこのプロセスを対応したのか、どこまでの作業が終了していて、次のプロセスは何かなど、相手に伝えなくてはいけません。
たくさんの業務がある中で、すべてを正確に伝えるのは難しいため、プロセスカードに内容を記載することで、正確に伝達することができます。
② 記録する
プロセスカードには、どんな条件で工程を行ったのかを、しっかり記録しています。
何時に開始して、何時に終わったかはもちろんですが、薬品は何℃で使用したか、問題は発生していないか、細かく記録しています。工程で問題が起こった時、前の工程で問題はなかったか等、この記録があることで不良の原因究明につなげることができます!
③ ミスなく作業する
量産工場では、たくさんの種類の製品が並行して流れています。
一品一様で条件が変わります。
薬品の温度や、プロセスを行う時間、次の工程が何か、製品によって異なるため指示がない状態だと混乱を招きます。
「Aという製品は、XXという条件で作業をするんだよ。次の工程はYYだよ」と、記載されているので、プロセスカードを見ればミスを防ぐことができます。
プロセスカードの重要性
プロセスカードには、たくさんの役割がありますが、「客先からの問い合わせ」があった際にはとっても役に立ちます。
客先だけでなく、社内の問い合わせにも役立ちます。
技術部の検査が終了し、品質保証部へ最終検査をお願いする際にも、工程に不備はなかったか、異常値はないか等も確認いただくので、プロセスカードも一緒にお渡しします。
異常発生の問い合わせはないに越したことはありませんが、お客様から連絡があった際は、まずプロセスカードを確認します。
工程中にトラブルはなかったか、異常値はでていないか……その製品を製造した記録として、すべてが記載されているので、出荷した後でも工程中にどんなことが発生したか、さかのぼることができます。
たくさんの、製品が流れる中で、管理し、履歴を残していくことは難しいですが、プロセスカードに助けられる瞬間はたくさんあります。
どのようなプロセスカードが、その現場で使いやすく、運用しやすいのかを考え自社にあったプロセスカードを作っていきましょう!