継続は力なり!!

継続は力なり!!

取引先工場の指導においては、相手のレベルによって進め方が変わること。

顧客クレームの多い中国工場に関しては、不良の流出防止を徹底してやることが重要であること。

そして、どのようにして流出防止を図るかについてここのところずっと書いてきました。

 

これまではみなさんが顧客の場合でしたが、今回は逆の立場になって顧客から指導を受ける場合を考えてみます。

日本電産の永守社長が言っていました。

創業当初は、客が工場見学に来ると工場には連れて行かず京都観光をさせて時間を潰し、そのまま帰ってもらったと。

当時工場はボロボロだったので、工場を見られたら注文が来なくなる。

工場を見られなければ、製品はよかったのでほぼ受注につながる。

だからいかに工場を見せないかが勝負だった。

 

みなさんの工場はそんなことはなく綺麗でしょうから、顧客が工場見学に来ても問題ないでしょう。

ただ、工場監査で来るとなるとまた話は別と思っているのではないでしょうか。

工場を監査されると1日時間を潰された上に、何だかんだとイチャモンを付けられて、やることが増えてしまう。

出来れば工場監査など受けたくない。

顧客の工場監査は出来れば受けたくない。心情的には理解出来ます。

しかし、顧客がやると言ったらそれを拒むことはできません。

であるならば、ここは視点を変えて工場監査を受けることで、自社工場のレベルとともに自社スタッフのレベルを上げることの出来る機会と捉えましょう。

 

話は変わりますが、以前ある重要取引先に対して、毎年工場監査を行なうのと併せて品質改善のための計画を作成してもらっていました。

先方の担当は品質管理の係長で、中国人の女性でした。

打ち合わせのやり取りも彼女が行い、製造および技術担当の日本人駐在員がいましたが、前面に出てくることはしませんでした。

3年目くらいの時でしょうか、品質改善のための計画について打ち合わせを行った時に、内容も悪くないしレベル的にもよかったと感じました。

聞けば、その計画書のほとんどを彼女が作ったということでした。

最初はとても頼りないと感じていたわたしたちでしたが、継続して顧客とやり取りをしていくことですごく成長したなと感心したことを覚えています。

「継続は力なり」なんです。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/