目指せ製品化?! ZnO2(ジルコニア)棒を評価するお話。

目指せ製品化?! ZnO2(ジルコニア)棒を評価するお話。

ZnO2の棒 評価の概要

こんにちは、yonaです!今日は、私が入社して初めて、「評価」に携わったときの話をします。

 

テクダイヤには「射出成型機」という装置があります。射出成型を簡単に説明すると、材料を「溶かし」「金型に流し」「固める」成型方法です。

この射出成型機で成型したジルコニア棒。

ZnO2_01

配属から1か月。この棒を、他部署の先輩から託され「HCTのプロセスに導入できないか評価してほしい」と……。

わ、わたし……評価なんかできません!

なんて言っていられません!折角、任せて頂いたのだから、責任もって評価させていただきます!

 

託されたサンプルは、2回目の試作とのこと。1回目の試作では、持っただけで分かるほどの反りがあり、使用できないと判断されたそう。

評価基準は、以下2点に絞った。

  • 反り
  • 外観

反り(平行度)測定

反っていると、NG!の理由のひとつに、「露光」工程が挙げられます。反りが多いと、露光時にフォーカスが合わず、装置の停止や、エラーが発生に繋がります。

ZnO2_02

HCTでの反りの許容範囲は「10um」!!!外れてしまったらNGとなります。

デジタル顕微鏡を使用して、両端を結ぶ線を引きます。その線と並行になるように、反りの頂点である、1番高いところに平行線を引いて距離を測定します。

同様に、反りの少ない先端部分の測定をします。イメージとしては、このような感じです。

ZnO2_03

測定を行った結果、表のようになりました。

ZnO2_04

判定は、NG。

反りの許容は10umですが、今回測定したZnO2の棒は、30um以上ありました。

外観検査

製品を製作するに当たり、「外観」は重要項目です。

「Voidはないか」「エッジに欠けはないか」「クラックは入っていないか」など、製品によって、見るべきポイント違ってきます。

今回は、パターニングをすることを前提とした表面状態を確認しました。

A面の表面状態
ZnO2_05

B面の表面状態
ZnO2_06

写真で見てもわかるとおり、A面に比べ、B面のVoidが多く、B面は、50um以上のVoidが見られました。

テクダイヤの外観検査基準の中で、Voidは30um以下と定められているため外観検査もNGとなります。

結果

今回の評価では、

(1)反り(平行度)測定 → NG

(2)外観 → NG

となったため、HCTのプロセスに、このZnO2の棒を導入することはできない!と判断させていただきました。

もし、今、同じ評価をお願いされたら、自分の意見やアイデアもあったのかな?と思いながらブログを書いています……笑

 

テクダイヤでは、日々、いかに製品を安く作るか。内製でできるものはないのか。勉強しながら、技術開発に励んでいます!!

こんなこと、できませんか???こんなもの、あったらいいな!!!絶賛、募集中です★


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。