監査チェックシート・形式チェックには要注意!!
前回工場監査は事前の準備がとても大事で、
それをツール化した監査チェックシートを作成して運用するようにしたことを紹介しました。
この内容に関して、読者の方からコメントをいただいたので紹介したいと思います。
芋たこ北京さんありがとうございました。
◆当方監査している立場から今回の話、100%アグリーです。
→ありがとうございます。
◆チェックシートを予備調査時点で個別に作り、
往査時の漏れを防ぐ事、チェック漏れもその後の追加調査で聴くのも当然でしょうし、
当方では、一部意図的に追加調査で電話確認をしています。
◆監査現場では相手も緊張しており、それが帰ったというので、
ほっとした所を狙って、こうした追加質問をすると、意外なボロが出る場合があります。
また、監査時間が不足する場合には、とにかくまず書類コピーだけ取って、
後から聞く事で、相手の日常の動きが読めるという効果もあります。
→意図的に後から追加調査をするというのは、わたしはやったことがありません。
すごい人がいるものだと思いました。
→後から聞くことで、先方の普段の姿、
つまり素の部分を確かめることができるという視点は、大いに参考にしたいと思います。
◆ただ、一点、チェックシートの怖さ、特に個別ではなく、
チェックシートを一般化した時に発生する形式監査には注意が必要。
◆当社の別の部門・・・
事業会社を管理する部門での矛盾がまさにチェックシートを統一化した結果発生したのが、
チェックシートを埋める事が仕事になり、目の前の相手に正対しないという現象が発生しました。
◆更には、チェックシートを事前に相手先に送って、埋めさせ、
それを往査時に回収だけしに行く現象も起きました。
勿論チェックシートを、相手側の自主チェックツールとして活用してもらえればいいのですが、
チェックシートを中心にした仕事、教条的な仕事に中国人社員の場合なりがち。
→この指摘は非常に痛いところを突いています。
チェックシートを使っているとこのようなことに陥ることがあります。
実際、わたしもこうなりかけたことがあります。
→中国人部下の育成や監査レベルの維持には非常に有効ですが、
中国人の場合、注意していないとご指摘の傾向になります。
◆教えるべき、確認すべきは、WHYなのに、HOW TOを確認してしまう。
プロセスやフローの背景にある、何故そうするのかの目的が置き去りにされ、
プロセスやフローができているかをチェックしてしまう、特にJSOX対応で、
一部コンサル会社からはそうした形式チェックの指導を受けた企業も多いだけに、
書類を見て現場を見ない所も多い。
最後に次のような魯文の文章を紹介いただきました。
◆魯迅に以下の文章があります。
必須敢于正視、這才可望敢想、敢説、敢作、敢当。
あえて正視してこそ、はじめて果敢に考え、説き、行い、事に当たれるのだ。